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イネ葉鞘の塩排出能に関わる遺伝子の同定と耐塩性強化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 23KF0228
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分外国
審査区分 小区分39020:作物生産科学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

三屋 史朗  名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70432250)

研究分担者 NEANG SARIN  名古屋大学, 生命農学研究科, 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-11-15 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2025年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードイネ / 塩害 / 耐塩性 / 葉鞘 / 塩排除 / 遺伝子 / 突然変異
研究開始時の研究の概要

イネは重要な作物だが、海水をかぶったりすると生育がとても悪くなる耐塩性の低い作物である。本研究ではそのような塩ストレス下でイネ葉鞘の塩排除機構に重要な遺伝子群を同定する。これまでにイネ耐塩性に関わるゲノムの領域をゲノムワイド関連解析(GWAS)や量的形質遺伝子座(QTL)解析で見出した。その領域内の、イネ葉鞘の塩排除能に関連すると予想される候補遺伝子群の発現量をCRISPR-Cas9技術やTos17挿入突然変異により変化させて表現型を調べ、どの遺伝子が関係しているのかを調べる。

研究実績の概要

2023年度は、イネにおける塩輸送体遺伝子およびイネ葉鞘の塩排除能についてのGWAS解析、RNA-sequencing解析から見出された複数の遺伝子に化学的手法でミューテーションを生じた突然変異株を用いた実験をおこなった。
まずはOsNHX2, OsNHX6, OsCLC1遺伝子の突然変異系統とその野生系統の選抜を行った。九州大学大学院農学研究院より分譲された突然変異系統M2種子を栽培し、ゲノムDNAを用いたPCRとシーケンシングにより突然変異系統と野生系統を選抜した。その後、種子を収穫して実験に供するために十分な種子を得た。各系統種子を発芽させて水耕栽培し、塩化ナトリウムを施与して塩処理を施した。突然変異系統とその野生系統の塩害による障害程度を目視により比較したところ、OsCLC1遺伝子の突然変異系統が野生系統と比較して耐塩性が低下することがわかった。さらにその要因を調べるために、植物体における塩濃度などを測定する予定である。
さらに6遺伝子の突然変異系統を選抜した。これらも九州大学大学院農学研究院からの分譲によるが、分譲されたM2種子には突然変異系統がなくヘテロ系統が存在した。そのため、ヘテロ系統を多く生育してゲノムDNAを抽出し、PCRとシーケンシングにより遺伝子型を調べることで、各遺伝子の突然変異系統の選抜に成功した。現在さらなる実験に供試するため、種子を増やしている。
またCRISPR-Cas9による遺伝子ノックアウトのため、OsNHX1およびOsNHX3遺伝子ノックアウトのためのコンストラクト(プラスミドDNA)の作製を行った。また、イネ(品種日本晴)種子をカルス誘導培地に置床し、現在カルス誘導を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本年度は、ターゲットとしている葉鞘の塩排除に関する遺伝子群の突然変異系統を選抜して、さらなる表現型解析のために種子を準備することが主な目的であったため、概ね順調に進展した。
また、CRISPR-Cas9によるターゲット遺伝子のノックアウトについては、プラスミドDNAの作製はおこなった。これからイネカルスにアグロバクテリウムを介して導入する予定である。これも順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今後の推進方策として、これまでの表現型解析により耐塩性の崩壊につながったCLC1遺伝子ノックアウトに注目し、CRISPR-Cas9によるCLC1遺伝子のノックアウトを行う。まずはCLC1遺伝子をターゲットとするためのコンストラクトを作製する。また、まだ表現型解析を行っていない突然変異系統についても耐塩性の表現型解析を実施し、野生系統と比較検討することにより、イネ耐塩性に関わる遺伝子の同定を行う。さらに、耐塩性が変化した突然変異系統がある場合は、どのように耐塩性が変化したのか、生理学的解析を行うことにより調べる。具体的には植物体内イオン含有量や光合成特性などを調べる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-11-17   更新日: 2024-12-25  

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