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ポリマープレカーサー法によるアンチペロブスカイト型窒化物および炭化物の合成と評価

研究課題

研究課題/領域番号 23KF0231
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分外国
審査区分 小区分26020:無機材料および物性関連
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

岩本 雄二  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40399598)

研究分担者 CHEYPE MAXIME  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 外国人特別研究員
研究期間 (年度) 2023-11-15 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2025年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワードアンチペロブスカイト窒化物 / アンチペロブスカイト炭化物 / 窒化ケイ素 / ナノコンポジット / 水電気分解 / 電極 / 水素化反応触媒
研究開始時の研究の概要

アンチペロブスカイト窒化物、またはアンチペロブスカイト炭化物ナノ粒子がアモルファス窒化ケイ素系マトリックスに分散した複合材料を対象に、ポリマープレカーサーをはじめとする有機金属前駆体からの材料合成ルートの構築と、水の電気分解反応におけるアノードおよびカソード電極、アンモニア生成反応用触媒としての評価、これらの機能発現を担うナノ構造の評価、および3Dプリンター造形法を利用した電極、および触媒部材の製造と機能特性評価を実施する。これらの研究を通じて、カーボンニュートラル社会の構築に資するグリーン水素製造プロセスの高機能化や、グリーン水素の担体としてのアンモニアの効率合成法の構築を目指す。

研究実績の概要

アンチペロブスカイト窒化物ナノ粒子がアモルファス窒化ケイ素系マトリックスに分散した複合材料を対象に、有機金属前駆体からの材料合成の検討を進めた結果、アンチペロブスカイト窒化物の生成に有効な金属塩化物や金属有機錯体と、これらの金属有機分子との反応性に優れ、かつ窒化ケイ素マトリックスの生成が可能なケイ素系ポリマーを選定できた。また、これらの化合物の化学反応によって合成された有機金属前駆体の高温熱処理によるアンチペロブスカイト窒化物と窒化ケイ素の複合材料への変換を詳細に検討した結果、特にニッケルやコバルト、そしてインジウムなどを構成元素とするアンチペロブスカイト窒化物がナノ粒子として分散したアモルファス窒化ケイ素の合成に成功した。また、一部の複合材料系を対象に、アンチペロブスカイト窒化物粒子サイズに及ぼす材料合成条件の影響を詳細に検討し、ナノメートルサイズに制御したアンチペロブスカイト窒化物の形成に重要なプロセス因子も抽出することができた。さらに、第一原理計算等を利用した材料設計研究にも着手した。ここでは、アンチペロブスカイト窒化物を対象に水素の吸脱着特性の予測に取り組み、従来の単相の貴金属、あるいは遷移金属の実験データ、および計算による予測値との比較を進めた。その結果、目的とする電極機能、あるいは触媒機能に的した材料組成の設計に有用な基礎的知見を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2023年度の研究計画に従って、金属有機前駆体の合成、および合成した前駆体の高温熱処理によりアンチペロブスカイト窒化物と窒化ケイの複合材料の合成検討を進めた結果、金属有機前駆体の合成ルートの構築と、目的とする複合材料の分散粒子相であるアンチペロブスカイト窒化物をナノメートルサイズに制御するための高温熱処理条件を選定できた。また、これらの成果を起点に、研究室の修士学生および卒業研究生も本研究に参加して、より広範な材料系を対象とした材料合成研究を開始するに至った。さらに、一部の材料系を対象とした触媒機能特性の評価の一環として、高温の水素および二酸化炭素の吸脱着特性の評価と、第一原理計算による水素ガス吸脱着機能発現の予測研究に着手し、アンチペロブスカイト窒化物の組成設計に有用な基礎的な知見を得た。これらの研究成果の一部は、1報の審査有論文として公表した。以上のように、本研究は、当初計画したいずれの研究項目も着実に進められたことから、概ね順調に発展していると評価した。

今後の研究の推進方策

引き続き、アンチペロブスカイト窒化物ナノ粒子分散アモルファス窒化ケイ素複合材料の合成を継続するとともに、新たにアンチペロブスカイト炭化物ナノ粒子が分散した炭化ケイ素、炭窒化ケイ素、あるいは炭酸化ケイ素系複合材料の合成に取り組む。ここでは、新たな材料系の合成に適したケイ素ポリマーと有機金属モノマーの選定と、有機金属前駆体の合成条件の確立をめざす。さらに、これらの炭素含有系材料の合成に的した高温熱処理条件を系統的に検討する。また、2024年の下期には、協同研究先のIRCER-CNRS(リモージュ、フランス)に修士学生を2名、6か月間派遣して、現地での材料合成と、一部材料を対象とした3Dプリンター造形法を利用した電極、および触媒部材の製造検討に着手する。また、これらの部材の機能特性評価を実施する。具体的には、水の電気分解反応におけるアノードおよびカソード電極特性の評価、そしてアンモニア生成反応用触媒として評価に取り組む予定である。なお、これらの特性評価と併行して、合成が可能となった複合材料を構成するアンチペロブスカイト窒化物、あるいは炭化物を対象に、第一原理計算による水素吸脱着特性の予測に取り組む。計算で提示される水素吸脱着特性の相対的な強さと、実験的に得られる水素吸着、あるいは水素脱着の活性化エネルギーの値を比較検討して、目的とする機能発現に的した材料組成の選定にも取り組んで行く。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] IRCER、CNRS(フランス)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] An in situ growth route towards anti-perovskite Ni3InN nanoparticles embedded within amorphous silicon nitride2024

    • 著者名/発表者名
      Tada Shotaro、Takazawa Sakurako、Asakuma Norifumi、Cheype Maxime、Honda Sawao、Kumar Ravi、Bernard Samuel、Iwamoto Yuji
    • 雑誌名

      Journal of Materials Chemistry A

      巻: 12 号: 6 ページ: 3689-3699

    • DOI

      10.1039/d3ta06212k

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [備考] 名古屋工業大学 ケミカルプロセス研究室ホームページ

    • URL

      http://chempro.web.nitech.ac.jp/index.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-11-17   更新日: 2024-12-25  

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