研究課題/領域番号 |
23KF0255
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分48010:解剖学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
榎本 秀樹 神戸大学, 医学研究科, 教授 (00360511)
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研究分担者 |
SUNARDI MUKHAMAD 神戸大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2025年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2024年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 幹細胞 / 自己組織化 / シュワン細胞 / 神経形成 / 迷走神経堤細胞 / ヒルシュスプルング病 |
研究開始時の研究の概要 |
HSCRモデルマウスを用いて腸管神経幹細胞から病因遺伝子を除去する遺伝子操作を行う。そして、この修復腸管神経幹細胞が腸管神経系の再生にどの程度寄与するのか、また寄与するとすればその分子機構はどのようなものかを解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
本研究は、2年前より着手され、既に病因遺伝子変異を条件的に除去できるHSCRモデルの作製が完了し、幹細胞での遺伝子修復実験を遂行中である。腸管神経幹細胞は、発生早期から中期に腸管神経形成に寄与する迷走神経堤由来のものと、発生後期から生後にかけて神経形成を行うシュワン細胞前駆細胞(SCP)由来のものが存在する。この2つの幹細胞集団を個別に解析した結果、SCP由来の神経幹細胞における遺伝子修復により腸管神経欠損がほぼ回避できることが明らかとなった(未発表データ)。2023年度は腸管神経が再生されたマウス腸管の組織・機能解析を行った。具体的には、腸管神経細胞数の定量、神経サブタイプ分化を組織学的に評価した。その結果、再生した腸管神経系の神経細胞数は正常よりも少なかったが、遺伝子修復を受けた幹細胞は腸管神経の多様なサブタイプのニューロンに分化できることが明らかになった。また、SCP由来神経幹細胞を修復したマウスでは、糞便の性状(量、含有水分量)、腸管通過時間が正常コントロールまで回復していた。迷走神経堤由来幹細胞を修復したマウスでも同様の検討を行なっているところである。また、SCP由来腸管神経幹細胞の神経再生機構を分子レベルで明らかにするため一細胞遺伝子発現解析を行うための条件実験を行い、細胞を単離するための組織の酵素処理の至適条件を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定されていた研究目的をほぼ達成している。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、腸管神経が再生されたマウス腸管の組織・機能解析(腸管神経細胞数の定量、神経サブタイプ分化の組織学的評価、糞便の性状解析、腸管通過時間)を行う。また、SCPが腸管内に侵入する胎齢16.5日以降の腸管を組織解析し、修復SCPによる腸管神経系の再生過程を詳細に解析する。さらに、SCP由来腸管神経幹細胞の一細胞遺伝子発現解析を進める。野生型マウスと疾患モデルマウス(遺伝子修復あり・なし)の3種類のSCPを比較することにより、神経形成能を持つSCP(野生型)が疾患でどのように変化し、遺伝子修復でさらにどう回復するかを解析する。野生型および修復SCPで共通し疾患SCPで異なる発現パターンを示す遺伝子群を神経形成に関連する候補遺伝子とし、in vitroのSCP由来神経形成アッセイ法を用いて、ゲノム編集による候補遺伝子破壊、または候補遺伝子の強制発現を行い神経形成誘導の評価を行う。
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