研究課題/領域番号 |
23KF0270
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分47010:薬系化学および創薬科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
藤田 美歌子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特任教授 (00322256)
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研究分担者 |
SEVER BELGIN 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2025年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2024年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2023年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
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キーワード | ALS / エダラボン / c-Abl阻害剤 / ハイブリッド分子 |
研究開始時の研究の概要 |
ALSは、運動ニューロンが障害を受け全身の筋肉を動かすことができなくなる病である。発症から3.5年程度で死に至る。病因に不明点が多く根治薬はない。それでも、エダラボンが病気の進行を抑える薬として認可された。また、キナーゼc-AblもALSに関わることが示された。本研究の目的は、ALSの次世代治療薬としてエダラボンとc-Abl阻害化合物のハイブリッド分子を創製することである。令和5年度にはこのハイブリッド分子を合成する。令和6年度には試験管内での、または細胞を用いた活性評価を行い、結果を見て分子の再設計、合成、評価を行い活性を高める。令和7年度には化合物を2つほど選び、マウスを用いた実験を行う。
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研究実績の概要 |
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は、運動ニューロンが障害を受け全身の筋肉を動かすことができなくなる病であり、発症から3.5年程度で死に至る。病因に不明点が多く根治薬はない。それでも、エダラボンが病気の進行を抑える薬として認可された。この薬は活性酸素を除去することにより効果を発揮すると考えられている。また、チロシンキナーゼc-AblもALSに関わることが示された。本研究の目的は、ALSの次世代治療薬としてエダラボンとc-Abl阻害化合物のハイブリッド分子を創製することである。 Severは令和5年度の10月初旬に来日し、各種ハイブリッド分子の合成を開始した。これまでに、市販のc-Abl阻害剤であるボスチニブとダサチニブ、またオレアノリン酸(我々の以前の研究よりAbl阻害活性をもつことが予想される、Ciftci et al., Molecules 24: 3535, 2019)をそれぞれエダラボンと融合した分子を既に合成した。今後、別のハイブリッド分子も合成して、活性を評価したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
市販のc-Abl阻害剤であるボスチニブとダサチニブ、またオレアノリン酸をそれぞれエダラボンと融合した3つの分子の合成を完了したところである。また、Severが母国で既に合成したc-Abl阻害活性をもつヘテロ環化合物2cと2jの、それぞれのエダラボンとのハイブリッド分子を現在合成中である。令和5年度中に全ての合成を完了する予定であったため、やや研究が遅れていると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度には連結の位置を変えたり、各種リンカーを導入したものも含め、さらに様々なハイブリッド分子を合成したい。これは年度の前半には終了する予定である。その次に、化合物の活性評価を行う。抗c-Abl活性はキナーゼアッセイキットを用いて試験管内で調べ、さらに細胞内での活性もウエスタンブロットなどにより評価する。活性酸素除去活性評価は、細胞内の活性酸素量の検出キットによる測定にて行う。 令和7年度には高活性を示したハイブリッド分子の体内動態を、SwissADMEを用いて推定する。良好な動態を示した分子を2つほど選び、動物実験用に大量合成を行う。その後に共同研究者のサポートによりモデルマウス実験を行いたい。
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