研究課題/領域番号 |
23KF0280
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 外国 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
森岡 正博 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80192780)
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研究分担者 |
SPIEGEL THOMAS 早稲田大学, 人間科学学術院, 外国人特別研究員
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研究期間 (年度) |
2023-11-15 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2025年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
2024年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2023年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
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キーワード | 社会哲学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、社会存在論における孤立個体主義(individualism)とホーリズム(holism)の問題に新しい側面から取り組むものである。申請者は人格概念の視点からその両者を超克する道を指し示し、さらに現象学的な考察を加えることによって、社会存在論に新たな光を当てる。日本、ドイツ、イタリアの研究者たちと研究交流を行ないながら、学際的な討議を行なっていく。研究成果は複数の論文として国際ジャーナルに投稿する。同時に、国内でシンポジウムを開催して研究成果を社会還元する。
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研究実績の概要 |
共同研究者のSpiegel氏は、この期間、現代社会哲学における個人主義概念の明確化に努めた。そのための論文を3本執筆し、それらが現在ピアレビュー中である。(1)“Two Types of Therapy. Wittgenstein’s Late Discovery of Freud”(2)“Do Philosophers need to find Relevant what they Publish?”(3)“Do you have to Date her? On Attraction and Alienation”。これらのうち(1)はヴィトゲンシュタインの治療的方法とフロイトを接続させて考察したものであり、(2)は哲学者の研究倫理について考察したものであり、(3)はセクシュアリティの社会哲学に関するものである。これらの論文を中心に学術書の執筆を進めた。単著として刊行することを目指しているところである。また申請者と共同で2024年10月にセクシュアリティの哲学をめぐる国際セミナーを計画中であり、その詳細をこの期間に詰めた。国外から3名、国内から4名のスピーカーを招へいして2日間の会合を行なう予定である。これに加えて、以下の3論文が刊行された。“Can Videogames be Philosophical?”, Synthese 203:144, 1-19 April 2024/Vicarious Religious Ordinance: Forcing your Faith on the Unsuspecting”, International Journal of Philosophy and Theology, April 2024/ “Cringe”, Social Epistemology, 1-12 February 2024.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画のとおり、研究の基盤となる予備的考察を順調に進めている。3本の論文を執筆して投稿し、3本の論文を刊行した。セクシュアリティの哲学をめぐる国際セミナーの企画を進展させた。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、まず単著『Stupidity and Self-Absorption』および『Beyond Individualism』の原稿を書き進め、80%を仕上げる予定である。さらにInternational Journal of Philosophical Studies において“Naturalism and Human Life”という特集を企画し、 Routledge社から『Social Ontology and Phenomenology』という編著図書を刊行する予定である。また北海道大学のAI哲学の国際セミナーで着想した「Can AI Automate Philosophy?」という論文を執筆する。また秋田大学で今夏に開催される哲学会議で発表し、さらに9月に開催されるヴィトゲンシュタイン国際会議で発表する予定である。10月には申請者と共同で早稲田大学においてセクシュアリティ国際セミナーを開催する。以上の論文・著書執筆、および学術会議への参加を通して、社会哲学における個人と社会の関係をさらに綿密に考察する。また、これらの研究と並行して、早稲田大学にてWaseda Philosophy Research Groupを毎月開催して、英語ベースでの研究交流の場を構築する。この会合はすでに予備的に連続開催されており、それを本格的軌道に乗せる。本研究の成果発表の場所としても活用する。
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