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雷を直接計算する気象雷モデルによる突風現象に先行する雷活動激化の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0037
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分17020:大気水圏科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

近藤 誠  北海道大学, 理学院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード雷 / ダウンバースト / 気象雷モデル / 雲微物理
研究開始時の研究の概要

竜巻やダウンバーストといった突風現象の発生に先行して雷活動が激化するLightning Jump(LJ)が報告されているが、雷に重要な雪と霰の帯電過程と輸送の観測は困難であり、雷と突風の間の物理過程の直接的な解明はなされていない。そこで本研究では、雷を直接計算できる気象雷モデルを用いてLJの物理過程を解明することを目的とする。さらに気象雷モデルに新たに「対地・雲内放電を考慮した放電計算」を実装することで雲内の電荷分布と放電過程を踏まえたLJの時間発展の詳細な解明を行う。

研究実績の概要

本研究の主題の突風に先行する雷活動の激化(ライトニングジャンプ)の発生メカニズムをマルチセル型積乱雲でのダウンバーストに対するライトニングジャンプに着目して検討を行った。
ダウンバースト事例の初期値を用いて気象雷モデルによる数値実験を行い、ダウンバーストと、それに先行する雷活動の激化が再現できた。このライトニングジャンプの発生メカニズムを1.雲微物理過程と2.対流過程の2点から検討した。
1.については、ダウンバーストの要因となる重い霰の生成に適した環境と、雷の要因となる霰と雪の衝突による電荷分離に適した環境が異なっていることを示し、この環境の遷移がダウンバーストとそれに先行するライトニングジャンプの発生に重要であることを明らかにした。2.については、1.で示したダウンバーストと雷の発生に適したそれぞれの環境の形成要因を対流環境から検討した。風の循環に着目した解析の結果、対流が傾いている場合は重い霰の生成に適さず、電荷分離に適した環境が形成されており、対流が直立している場合は重い霰の生成に適し、電荷分離に適さない環境が形成されていたことを明らかにした。
この1.と2.の解析によってマルチセル型におけるダウンバーストに先行するライトニングジャンプの発生メカニズムを説明することを可能とした。この研究成果は観測のみでは議論が困難だったライトニングジャンプの発生メカニズムを気象雷モデルを用いることで初めて可能したものであり、この成果に関して2件の国際学会、3件の国内学会での発表を行った。この内、国際学会1件で学生優秀発表賞を受賞し、国内学会1件において招待講演として発表を行った。また、現在この成果は英語投稿論文として投稿寸前の状況となっている。この成果を発展させるため、孤立積乱雲におけるライトニングジャンプの発生メカニズムの検討も開始している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り、気象雷モデルを用いてダウンバーストとそれに先行する雷活動の激化のシミュレーションを成功させ、発生メカニズムの検討を行うことができた。また、得られた結果は、英語論文にまとめ、現在直前となっており、おおむね順調に進展しているといえる。

今後の研究の推進方策

今後も当初の計画通り、突風に先行する雷活動の激化の発生メカニズムを他の特性を持つ積乱雲でも検討する。そして、包括的な突風の発生と雷の発生の関係から、突風に先行する雷活動の激化の発生条件を明らかにする。また、気象雷モデルの放電過程の影響も数値計算コードの追加により検討を行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 突風に先行する雷活動の激化における霰の成長の影響2023

    • 著者名/発表者名
      近藤誠、佐藤陽祐
    • 学会等名
      JpGU Annual Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] ダウンバーストに先行する雷活動の激化における風循環が霰の成長に与える影響2023

    • 著者名/発表者名
      近藤誠、佐藤陽祐
    • 学会等名
      第2回都市極端気象シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] ダウンバーストに先行する雷活動の激化における霰の成長環境の遷移2023

    • 著者名/発表者名
      近藤誠、佐藤陽祐
    • 学会等名
      日本気象学会2023年度秋季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Effect of graupel growth on the increase in lightning activity preceding severe wind2023

    • 著者名/発表者名
      Makoto Kondo, Yousuke Sato
    • 学会等名
      The 6th International Workshop on Nonhydrostatic Models
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Insight for the relationship between lightning jump preceding the downburst and growth environment of graupel using a bulk lightning model2023

    • 著者名/発表者名
      Makoto Kondo, Yousuke Sato
    • 学会等名
      AGU Fall Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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