研究課題/領域番号 |
23KJ0184
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分18010:材料力学および機械材料関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
丸山 衡平 東北大学, 環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2025年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | エアロゾルデポジション / 圧電 / 磁歪 / 電磁効果 / 環境発電 |
研究開始時の研究の概要 |
モノのインターネット(IoT)の普及により,センサの需要が年々大きくなっているが,センサの駆動には電力供給が必要である.しかしながら,電力需要が増加する一方,2050年のカーボンニュートラル実現のために,二酸化炭素を排出しない自立電源の開発が急務となっている.自立電源のうち,振動や風などの周囲の環境から電気を生み出す環境発電は,機械エネルギーを電気エネルギーに変換することのできる圧電材料を利用することで実現可能である.本研究は,セラミックス粒子の衝撃荷重によって膜を作製するAD法を利用した圧電複合材料の開発を目的とし,数値解析と理論を融合させ,発電性能を高める最適構造を提案する.
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研究実績の概要 |
本年度はセラミックスの室温成膜が可能なエアロゾルデポジション(AD)法を利用し,磁歪材料であるFeCo/Niクラッド材にチタン酸バリウム圧電厚膜を形成した.まず,磁歪基板上に成膜すると磁歪特性がどのように変化するかを調査したところ,Ni面のみに成膜することで磁歪量が大きくなることが確認された. 続いて圧電膜による発電特性の調査を行った.過去の研究では,チタン酸バリウム圧電膜に1000℃近くの熱処理を行わないと高い圧電効果が得られなかった.そこで,コロナ放電分極による高電場の印加によって未熱処理のチタン酸バリウムを分極し,熱処理膜と比較すると小さいがd33メータでの圧電効果の確認ができた.また,試料を片持ち梁形式で治具に固定し,強制変位を開放することによる減衰振動によって発電を確認することができた. 次に圧電効果と磁歪効果の両方を利用する発電実験のために,試験片をコイルの中に入れて行うことで磁歪効果による磁束密度変化を利用した振動発電を行った.その結果,磁歪効果による発電は圧電効果に影響を与えず,圧電効果および磁歪効果の両方から発電することに成功した. 最後に,磁場変化からの発電という環境発電に注目し,磁歪材料と圧電材料の電磁効果を検証した.外部の磁場変化を磁歪材料がひずみに変換し,そのひずみを圧電材料が電気に変換することによって,圧電材料上の電極から電気を取り出すことを確認した.印加した磁場の値と得られた電圧から電磁係数αを計算すると,従来の材料と同等の値を示したことから,室温で形成された圧電膜と磁歪基板による新たな電磁デバイスの可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,エアロゾルデポジション法によって磁歪基板に圧電膜を形成することに成功し,電磁効果の検討を行えた.
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今後の研究の推進方策 |
電磁効果の再現性の確認やシミュレーションを行う.また,高分子基盤を利用したフレキシブル圧電デバイスの開発に挑戦する.
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