研究課題/領域番号 |
23KJ0221
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
津田 路子 東北大学, 医工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2025年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 粒子線がん治療 / 二次電子制動放射線 / ビームイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
重粒子線は、優れたがん治療効果が認められている一方で、高い線量局在性から、照射領域のずれが正常組織に及ぼす悪影響が大きくなることがわかっている。治療効果の最適化のために、粒子線治療ビームの非侵襲的な可視化が求められている。本研究では治療精度の大きな向上を目的として、電子制動放射線計測法による治療ビーム可視化研究を進め、治療ビームをリアルタイムかつ3次元画像として取得する技術を開発する。さらに、本技術が実際の臨床現場で利用できるイメージング技術であることを実証する。
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研究実績の概要 |
粒子線がん治療で治療中にビームの照射位置が確認できれば、治療効率および安全性の向上が期待できるため、ビームイメージング技術は世界的に研究が進められている。治療ビームは腫瘍に対して3次元的に照射されるため、得られる画像も3次元であることが必要である。そこで、本研究では、治療ビームを二次電子制動放射線を測定することにより、リアルタイムかつ3次元画像として取得する技術を開発する。 今年度は、3次元画像の取得のためモンテカルロ計算コードPHITSを使用してシミュレーション環境を構築した。この環境を利用して、均一なアクリル標的に対する治療ビームの照射を行い、標的内のビーム軌跡上に発生する二次電子制動放射線をピンホール型X線カメラで複数方向から捉えた。さらに、収集されたデータにフィルタ補正逆投影法を適用することで、ビームの3次元画像を得ることが可能となった。この方法により、照射されたビームの精密な三次元的位置と形状を視覚化することができた。さらに、シミュレーション結果から、測定装置が持つ固有の分解能および標的内での二次電子制動放射線の散乱が、ビーム像の広がりの要因と見られることを確認した。この広がりを補正することができれば、より精密な画像の取得が可能であると考えられる。 X線カメラの製作においては、初期の計画では半導体検出器の使用を予定していた。しかし、シミュレーションの結果、シンチレーション検出器を使用しても目的の達成が十分可能であることが明らかになったため、検出器の種類を変更することを検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通りにシミュレーションおよび画像再構成プログラムの作成が進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
シミュレーションで得られた結果をもとに、コリメータを製作し、カメラの構築および照射実験の準備を進める。また、シミュレーションにて、角度制限を設けた状態でデータの取得を行い、逐次近似画像再構成法の適用を行う。
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