• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

水分屈性初期応答に必須なMIZ1の細胞内動態変化制御を司るタンパク質の同定と機能

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0228
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分44030:植物分子および生理科学関連
研究機関山形大学

研究代表者

秋田 幸太郎  山形大学, 理学部, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2025年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード水分屈性 / 水分勾配刺激 / 環境応答 / MIZ1
研究開始時の研究の概要

水分屈性は植物の根が水分の多い方向へと屈曲・伸長する応答である。水分屈性発現に必須であるMIZU-KUSSEI1(MIZ1)、MIZ2は水分屈性初期応答の分子機構を理解するための鍵となるタンパク質である。近年、MIZ1が機能するためにはMIZ2制御による局在変化が必要であることが示唆された。しかし、その細胞内局在変化に直接関与する分子は同定されていない。そのため、MIZ1と共に働きその細胞内局在変化を導くタンパク質を同定し、その機能を解明することを目指す。本研究から、植物の根が水分ストレスに晒された際に迅速に応答できるメカニズムの解明の糸口になることが期待される。

研究実績の概要

本研究の目的は、水分屈性制御に必須なMIZ1タンパク質の細胞内局在変化の機構を解明することである。そのために、MIZ1と相互作用して局在変化に機能するタンパク質をTurboID法により同定することと、局在変化を駆動する細胞骨格の同定を目指し研究を実施した。本年度は、水分屈性におけるMIZ1の機能部位である皮層細胞特異的なプロモーター、pCORの下流で、TurboID-YFPとMIZ1、水分屈性を示さない変異型のmiz1-1、miz1-5、MIZ1のターミネーターを融合した、pCOR: TurboID-YFP-MIZ1, -miz1-1, -miz1-5, -MIZ1terのコンストラクトを作成した。それらをMIZ1無発現変異体へ形質転換し形質転換体を得た。導入遺伝子がホモの系統を選抜し、それらの水分屈性表現型を評価した。すると、TurboID-YFP-MIZ1では程度に差はあったが水分屈性を示す系統の取得に成功した。一方、TurboID-YFP-miz1-1, -miz1-5, -MIZ1ter系統では、水分屈性を示す系統は得られなかった。
アクチン繊維がMIZ1の細胞内動態変化の制御に機能するのかを明らかにする目的で、薬剤処理や遺伝学的にアクチン重合を阻害したところ、水分屈性が低下することを見出した。アクチン繊維とMIZ1が部分的に共局在すること、アクチン重合の阻害によりMIZ1と小胞体の共局在の程度が減少することを見出した。これらのことから、小胞体でのMIZ1機能が水分屈性発現に重要なことが示唆された。
シロイヌナズナの水分屈性発現におけるオーキシンの役割を生理学的に解析した。その結果、オーキシンは、MIZ1の下流で直接的に水分屈性を減衰させることで、根の成長方向を調節する役割を持つことを明らかにした。この成果をPhysiologia Plantarum誌に発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

シロイヌナズナの水分屈性発現において相反する報告がなされていたオーキシンの役割を明らかにすることができた。また、アクチン繊維がMIZ1の上流で機能し、MIZ1の小胞体への局在や小胞体膜上での機能に影響を与えることが示唆できた。MIZ1相互作用タンパク質候補の同定に用いるTurboID系統の整備も順調に進んでいる。これまでに作出されていなかった蛍光タンパク質融合のmiz1-1, miz1-5の作出に成功したことで、MIZ1の機能解明に迫ることが期待できる。

今後の研究の推進方策

系統整備が終わり次第、研究計画に基づきTurboID法によるMIZ1相互作用タンパク質候補の同定を行い、MIZ1の細胞内動態変化を司るタンパク質を明らかにしていく。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Auxin biosynthesis, transport, and response directly attenuate hydrotropism in the latter stages to fine‐tune root growth direction in <i>Arabidopsis</i>2023

    • 著者名/発表者名
      Akita Kotaro、Miyazawa Yutaka
    • 雑誌名

      Physiologia Plantarum

      巻: 175 号: 5

    • DOI

      10.1111/ppl.14051

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Analysis of the physiological impact of actin polymerization and depolymerization on hydrotropism in Arabidopsis thaliana2024

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Akita, Yutaka Miyazawa
    • 学会等名
      第65回日本植物生理学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Physiological studies on the auxinic regulation of hydrotropism in Arabidopsis thaliana2023

    • 著者名/発表者名
      Kotaro Akita, Yutaka Miyazawa
    • 学会等名
      The 33rd International Conference on Arabidopsis Research (ICAR)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi