研究課題/領域番号 |
23KJ0231
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分17040:固体地球科学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
柴田 翔平 茨城大学, 理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 水蒸気プリニー式噴火 / マグマ水蒸気噴火 / 火山豆石 / カルデラ |
研究開始時の研究の概要 |
マグマ水蒸気噴火の中でも、特に大規模で爆発的な噴火様式である水蒸気プリニー式噴火について発生メカニズムを検証する。水蒸気プリニー式噴火は、大量の細粒火山灰を水平距離で 1,000 km 近く飛散させ、高エネルギーの火砕流をともなうため、発生した場合の社会への影響は計り知れない。本研究は、観測事例のない水蒸気プリニー式噴火の発生条件・発生環境に制約を与えうる研究であり、既存の噴火モデルの見直しだけではなく、噴火の推移予測や原発や地層処分などの評価基準の見直しにも貢献する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、マグマ水蒸気噴火の中でも、特に爆発的な噴火様式である水蒸気プリニー式噴火について発生メカニズムを地質学的・物質学的に検証することである。 令和5年度は、申請書にも記載している通り、海道東部に位置する屈斜路カルデラ火山で発生した水蒸気プリニー式噴火事例について、の堆積物の地質調査および室内分析を実施した。 地質調査では、屈斜路カルデラ近傍・遠方地域のそれぞれにおいて、水蒸気プリニー式噴火堆積物の詳細な層相記載を追加で行った。これにより、屈斜路カルデラ火山で発生した水蒸気プリニー式噴火の推移は、噴煙柱を持続させ、広域に凝集した火山灰(火山豆石)を降下させるものであったことがより明確になった。この結果と令和5年度以前までに得られたデータをとりまとめ、現在(2024年4月)国際誌に投稿中である。 また、室内分析においては研究協力者である吉村俊平助教(北海道大学)の協力を得て、屈斜路カルデラ火山で発生した水蒸気プリニー式噴火堆積物を対象に、細粒火山灰の含水量測定を実施し、マグマと外来水の接触深度の推定を試みた。その結果、一部が発泡破砕したマグマは火道浅部(数百m)にて外来水と接触し、水冷破砕を引き起こしていたことが明らかになった。この結果は、水蒸気プリニー式噴火の発生メカニズムを考察・比較研究する上で大変有意義であり、本課題研究の進展に極めて大きく寄与した。これまでに得られた成果の一部は、国内学会にて発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和5年度は分析手法の検証と分析ルーティンの構築に、当初の想定以上に時間を要した。そのため、分析試料は屈斜路カルデラ火山の試料に限られてしまったが、ほぼ全ての分析を完了した。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は屈斜路カルデラ火山の試料の一部について、追加分析とデータの取りまとめを行い、成果論文の作成のために研究協力者と議論を重ねる。また、令和5年度までに採取していた、ニュージーランド、Taupo火山の試料についても分析を行う予定である。
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