• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

観測ビッグデータに基づく土壌炭素収支モデルの構築と気候変動予測へのインパクト

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0313
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分63010:環境動態解析関連
研究機関千葉大学

研究代表者

山貫 緋称  千葉大学, 融合理工学府, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2025年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード陸域炭素循環 / 土壌呼吸 / リモートセンシング / 統合解析 / 機械学習 / 広域推定 / 気候変動 / 温暖化
研究開始時の研究の概要

陸域生物圏のCO2吸収排出量を正しく推定することは、将来の気候変動を予測する上で最重要な課題である。陸域生物圏のCO2循環において、土壌に関する炭素循環は、現地観測が非常に困難なため、地上部と比べて圧倒的に不確実である。本研究では、地球温暖化予測の上で、重要かつ不確実である、土壌における炭素循環(特に土壌呼吸)について、観測方法に一貫性のある新たなデータに基づいた広域推定を行い、全球土壌呼吸の時空間変動を把握する。さらに、本研究で構築した新たな土壌呼吸データセットに基づく新たな土壌炭素モデルを構築し、将来予測を行う。

研究実績の概要

国立環境研究所を中心に同一の観測手法を用いて整備され、アジアに展開されている世界最大規模のチャンバー観測ネットワークデータと、日本原子力研究開発機構などが取得した土壌特性・有機炭素特性・微生物特性データ、衛星観測データなどに機械学習手法を適用して日本域の土壌呼吸量を推定するモデルを構築し、特徴量の重要度などを算出して日本において何が土壌呼吸を駆動しているのかを明らかにした。その結果、地温が土壌呼吸の時系列変化の大部分を説明していた。また、温度パラメータなどの気象データと土壌特性データを組み合わせることにより、モデルの推定精度が向上した。これらの成果を、日本農業気象学会2024年全国大会で発表した。
次に、同じくチャンバーで観測されている土壌メタン吸収量データと、土壌呼吸量推定モデル構築に用いた入力パラメータに機械学習手法を適用して日本域の土壌メタン吸収量を推定するモデルを構築し、土壌呼吸・メタン吸収量推定における特徴量の重要度の違いを確認した。土壌呼吸量推定においては温度パラメータの重要度が大きくなる傾向にある一方で、土壌メタン吸収量推定では表層土壌のバルク密度や土壌有機炭素量、鉱物特性などの土壌特性データが重要であることを示した。また、土壌メタン吸収量推定においては、衛星観測データの地表面反射率から計算した正規化植生指数の重要度が地温の重要度と同等であることがわかった。これらの成果を、国際学会JpGU Meeting 2023、AsiaFlux Conference 2023で発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通りの進捗であったため。

今後の研究の推進方策

まず、解析に使用する観測データの期間を統一することによって、日本域全体の土壌炭素収支を説明する土壌呼吸量推定モデルを構築し、各観測サイトにおけるデータ期間の違いがモデル構築に与える影響を確認する。その後、最適な期間のデータを用いて日本域の土壌呼吸量を広域推定して、既存のデータセットとの相互比較を行う。これらの成果を学術論文として発表する。
次に、同じ観測サイトの従属栄養呼吸量データを用いて、日本域の従属栄養呼吸量を推定するモデルを構築し、算出された特徴量の重要度を土壌呼吸量を推定する場合の特徴量の重要度と比較する。さらには、日本域の従属栄養呼吸量を広域推定して、土壌呼吸量の時空間分布との差異を確認する。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023

すべて 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [学会発表] 土壌観測データの統合解析による土壌CO2収支の解明2024

    • 著者名/発表者名
      山貫緋称, 市井和仁, 山本雄平, 寺本宗正, 孫力飛, 小嵐淳, 安藤麻里子, 永野博彦, 平野高司, 高木健太郎, 石田祐宣, 高木正博, 近藤俊明, 高橋善幸, 梁乃申
    • 学会等名
      日本農業気象学会2024年全国大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Effects of soil properties in estimating soil respiration and methane absorption2023

    • 著者名/発表者名
      Hina Yamanuki, Kazuhito Ichii, Yuhei Yamamoto, Munemasa Teramoto, Sun Lifei, Jun Koarashi, Mariko Atarashi-Andoh, Hirohiko Nagano, Takashi Hirano, Kentaro Takagi, Sachinobu Ishida, Masahiro Takagi, Toshiaki Kondo, Yoshiyuki Takahashi, Naishen Liang
    • 学会等名
      Japan Geoscience Union (JpGU) Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Elucidation of soil CO2/CH4 budget by integrated analysis of soil observation data2023

    • 著者名/発表者名
      Hina Yamanuki, Kazuhito Ichii, Yuhei Yamamoto, Munemasa Teramoto, Sun Lifei, Jun Koarashi, Mariko Atarashi-Andoh, Hiroshiko Nagano, Takashi Hirano, Kentaro Takagi, Sachinobu Ishida, Masahiro Takagi, Toshiaki Kondo, Yoshiyuki Takahashi, Naishen Liang
    • 学会等名
      AsiaFlux Conference 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi