研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、戦後日本・沖縄文学作品における地理的想像力の分析を通じて、「戦後沖縄」空間像が単一的な沖縄人アイデンティティと調和的なものではなく、つねに沖縄の外部とされた場所における空間像との交渉によって編成されてきたという歴史的過程を明らかにする。具体的には、戦後日本本土における沖縄表象や沖縄文学における移民や植民地の記憶、そして八重山やハンセン病療養所といった沖縄内部で周縁化された場所における沖縄表象などのせめぎ合いを描くことで、ありえた複数の「戦後沖縄」空間像を示す。