研究課題
特別研究員奨励費
本研究は、主に1920年代以降の日本で発表されたマンガ作品を対象とし、そこに登場した近代的なテクノロジーに関わるイメージの歴史的展開を検討する。明らかになるのは、近代化に伴って登場した新たな科学技術が大衆文化的なイメージを通して受容されると同時に、近代の視覚文化ジャンルとしてのマンガがテクノロジーへの想像力を取り入れながらその表現を形成してきた過程である。手塚治虫を中心化する傾向にあった従来の歴史観とは異なるマンガ史を提示すると同時に、20世紀における科学と文化の関係性を明らかにすることが期待される。