研究課題/領域番号 |
23KJ0414
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤野 晋之介 東京大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | マルチモダリティ / 心電図 / 胸部レントゲン画像 / 深層学習 / 予後予測 |
研究開始時の研究の概要 |
急性心筋梗塞患者のリスク評価において、画像や数値などのマルチモーダルな医療情報を統合的に評価する深層学習モデルを開発する。これにより、医師が実臨床で行っているマルチモーダルな判断の自動化と定量化を実現し、患者リスクの正確な評価を可能とする。また患者の予後に関わる介入可能な因子を検討する。モデルの作成に際して自己教示学習を利用し医療情報の必要量を削減する。本研究からマルチモーダルな医療情報の定量化に関する新たな知見を得ることで、将来的には他の疾患のリスク評価にも応用できる枠組みの構築を目指す。そして、深層学習モデルが医師の判断を補完することで、医療の質の向上・効率化に貢献することを期待する。
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研究実績の概要 |
心電図・胸部レントゲン画像を用いたマルチモダリティな患者リスク評価に人工知能を適応し、虚血性心疾患患者の予後予測への応用を目指した。自己教師学習を用いて事前学習を実施したモデルを土台に、心電図から心機能の低下を検出するモデル、胸部レントゲン画像から心拡大を検出するモデルをそれぞれ作成し、患者をモデル出力に基づいて4群に分類し、各群における虚血性心疾患患者の予後を比較。結果、複数のモダリティによる評価は単一モダリティによる評価と比較して患者予後を高い性能で予測可能である可能性を示した。 臨床現場で収集できる心電図や胸部レントゲン画像を含む患者情報は、利活用を目的に作成されておらず、このことは研究成果を社会実装するための重要なボトルネックである事を確認した。今後この課題を解決するため、日常臨床で使用されている、より実用的な知識を抽出する枠組みの作成を目指す。本研究にあたり、サポートをいただいた全ての関係者に心より感謝申し上げる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
データ収集が当初の予定より速やかに進行したため研究全体が計画以上に進展し、研究成果はすでに査読付き論文として公開済みである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究を通して、臨床現場で収集できる心電図や胸部レントゲン画像を含む患者情報は、利活用を目的に作成されておらず、このことは研究成果を社会実装するための重要なボトルネックであると考える。今後この課題を解決するため、日常臨床で使用されている、より実用的な知識を抽出する枠組みの作成を目指す。具体的には医師同士が日常臨床で共有する医学専門知識をQandAの形式で蓄え再利用が可能なデータベースを作成する。このデータベースを、大規模言語モデルを用いて参照することで、日常臨床への疑問に素早く効率的に回答を提示できるシステムを開発する。
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