研究課題
特別研究員奨励費
近年機械学習・AI分野で変化予兆検知というキーワードが注目されている.なぜならば,時系列データの変化はその背後にリスクが結びつくため,それらの予測によりリスクを未然に防ぎたいというモチベーションがあるからである.例えば経済データには経済危機,セキュリティログには不正アクセス,そして感染症流行データには感染爆発というような重大なリスクが結びつく.本研究はデータが十分に存在しないという意味での未知リスクの検知を目的とする.そして,データサイエンスとシミュレーションを融合した変化予兆検知という方法により未知リスク検知を実現する.
1.双曲グラフ埋め込みにおける、分解型正規化最尤符号長を用いた最適次元数選択。グラフ埋め込み手法は、ノードとその関係を連続空間上で表現するのに非常に効果的な手法です。本研究では、双曲空間と呼ばれるタイプの空間のグラフ埋め込み手法を統計的モデル選択の問題として定式化し、その最適な次元数を記述長最小原理に基づく手法である分解型正規化最尤符号長を用いて選択する手法を提案しました。2.グラフ埋め込みにおける、分解型正規化最尤符号長を用いた最適次元・曲率選択。本研究ではいたるところで定曲率をもつ、ユークリッド空間(0曲率)・双曲空間(負曲率)・球面(正曲率)の3つをグラフ埋め込み空間の候補集合とします。そしてその空間の次元数と曲率を同様に分解型正規化符号長を用いて選択する手法を、1を拡張する形で提案しました。なお本研究の成果は情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2023)およびinternational conference on data mining (ICDM2023)において発表されました。3.一般類似度グラフ埋め込みにおける、スパースモデリングを用いた最適次元数選択。本研究ではGroupLassoと呼ばれるスパースモデリングを用いて、まず十分に高い次元をグラフ埋め込みモデルに設定したのちそれを削減することで、最適な次元数を決定する手法を提案しました。また、次元数の決定は同様に記述長最小原理に基づく正則化正規化最尤符号長という手法を用いました。現在本論文は雑誌への投稿を検討中です。
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Knowledge and Information Systems
巻: 65 号: 12 ページ: 5601-5634
10.1007/s10115-023-01934-2