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金属中心を周期配列した原子層ナノ分子の設計・合成

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0473
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分35030:有機機能材料関連
研究機関東京大学

研究代表者

秋吉 美里  東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード拡張π電子系 / 実験計画法 / 機械学習
研究開始時の研究の概要

原子層科学分野における金属複合材料は,グラフェンやカーボンナノチューブにおいて研究が進められているものの,精密に金属を配置・制御することが未だ難しい.本研究課題で開拓する分子群は,分子量 2900を超える数ナノメートルサイズのナノカーボン骨格に金属錯体が周期的に配置された構造を持ち,種々の金属や配位環境の精密な設計が可能であることが特長である.このため,構造化学・錯体化学の知をベースに,磁性や集積化学のような物性評価を系統的に行える.既に機能性材料として応用されているフタロシアニンやポルフィリンに続く,次世代新奇π系・金属化合物としての機能展開が期待される.

研究実績の概要

本研究は「金属中心を周期配列した原子層ナノ分子の設計・合成」と題し,数ナノメートルサイズのナノカーボン骨格に金属錯体が周期的に配置された構造を持つナノカーボン分子錯体の開拓を行う.研究初年度である2023年度は,新奇π系・金属化合物の化学を開拓する上で基盤となる技術の開発と,目的化合物の合成を進めた.まず,化合物の効率的な収率向上手法の開拓として,実験計画法と機械学習を組み合わせた手法のさらなる開発を行った.これまでに実験計画法により,効率的にパラメーター空間を網羅して実験データを集め,さらに機械学習によってデータを補間することで,最小限の実験で最適な条件を見つけ出す手法を報告している (Ikemoto, K.; Akiyoshi, M.; Mio, T.; Nishioka, K.; Sato, S.; Isobe, H. Angew. Chem. Int. Ed. 2022, 61, e202204035.).しかしながら,一般的にデータ量を拡張するために新たに実験計画法に従った条件を再設定する必要があり,多くのデータを集め直さなくてはならない.そこで,さらなる展開として,実験計画法をベースとした新たなデータ拡張手法を開発した.これらの研究成果は国内の学会にて一部発表を行なった.また,上記の化合物の効率的な収率向上手法を用いて,巨大π系を有するナノカーボン分子錯体の合成を行なった.種々のカップリング反応を用いて12工程の反応を行い,分子量1500を超える鍵中間体の合成を達成した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

化合物の収率向上手法の開発により効率的に合成が進められるようになり,本目的分子の合成達成までは残り3工程と間近であるため,おおむね順調に進展していると考えている.

今後の研究の推進方策

これまでに分子量1500を超える鍵中間体の合成を達成したことにより,金属中心を周期配列した原子層ナノ分子の合成達成までの残り数工程は問題なく進められると考えている.また,特性について,【磁性】と【集積による物性制御】について検討し,原子層ナノ分子の機能展開を行う予定である.具体的には,高スピン金属中心や低スピン金属中心を持つ種々の原子層ナノ分子についてEPR測定や常磁性NMR測定を検討する.また,金属の配置を変えることで,原子層ナノ分子の集積による物性制御を行う.これらの集積構造については走査透過電子顕微鏡や原子間力顕微鏡,X線回折法により,金属の配置の違いによる構造変化を検討する.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Tier-grown expansion of Design-of-Experiments parameter spaces for synthesis of a nanometer-scale macrocycle2023

    • 著者名/発表者名
      Misato Akiyoshi, Koki Ikemoto, Hiroyuki Isobe
    • 雑誌名

      Chem. Asian J.

      巻: 18 号: 2 ページ: 1-7

    • DOI

      10.1002/asia.202201141

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 実験計画法と機械学習を用いた巨大ナノカーボン分子の合成2023

    • 著者名/発表者名
      秋吉美里
    • 学会等名
      第14回大津会議
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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