研究課題/領域番号 |
23KJ0535
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分20010:機械力学およびメカトロニクス関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
豊島 萌生 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | コントロールモーメントジャイロ / CMG / 二足歩行ロボット |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,歩行ロボットで,角運動量交換型トルクアクチュエータであるコントロールモーメントジャイロ(CMG)を,姿勢制御のみならず関節の駆動にも有効活用する方法を明らかにすることを目的とする.そのために,ハードウェアの構成方法,CMGと通常アクチュエータを連動させる制御手法,角運動量を考慮した歩容生成手法の3点に取り組む.特に,CMGの持つ余剰自由度を活用して,特異状態を回避したり消費パワーを抑制したりする手法を明らかにすることを目指す.
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研究実績の概要 |
本研究では,歩行ロボットで,角運動量交換型トルクアクチュエータであるコントロールモーメントジャイロ(CMG)を,姿勢制御のみならず関節の駆動にも有効活用する方法を明らかにすることを目的としている.本年度はハードウェアの構成法と制御手法に取り組んだ. 既存のCMGをロボットの姿勢制御に用いる研究ではすべてのCMGユニットを胴に搭載している.しかし,CMGのトルクを脚関節の駆動に活用するためにはCMGユニットをロボットの脚に搭載する必要がある.脚部にCMGを搭載するロボットの設計法について検討し,プロトタイプを製作した. 複数のCMGユニットを搭載し,連動させて制御することで所望のトルクを得る手法が広く研究されている.組み合わせて用いるCMGユニットは相対運動をしないことが前提になっているが,ロボットの歩行動作によって組み合わせて用いるCMGユニットの間で相対運動がおこり,相対姿勢が変化する.従来の手法では想定されていなかった相対姿勢変化がCMGの出力トルクに与える影響を検討し,ロボットの脚部にCMGを搭載しても胴に搭載したときと同様に姿勢制御に活用できる手法を明らかにすることに取り組んだ. CMGユニット間の相対運動をシステムのヤコビアンに反映することで,ユニット間の相対運動がある場合にも対応できる手法を提案した. CMGの活用のためには要求されたトルクを発生できない方向が存在する特異状態を回避するための制御手法が必要になる.特異状態にはCMGの角運動量が大きくなることで生じる飽和とジンバル角の組み合わせによって生じる内部特異状態の2種類が存在する.飽和の問題を解決するために線形二次レギュレータを活用する手法を提案した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は,姿勢制御のみならず関節の駆動にも活用するため,脚部にCMGを搭載したロボットのプロトタイプを設計製作した.搭載したCMGユニットの相対姿勢が変化しても対応できる制御法を考案し,実験を通して有効性を検証できた.また,ロボットの姿勢制御において特異状態のうち飽和に対処する手法を明らかにし,製作したプロトタイプに実装して効果を確認した.CMGを姿勢制御のみならず関節の駆動にも活用する二足歩行ロボットの実現に必要な要素技術開発を着実に進められたことから,概ね順調に進展していると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
CMGを関節の駆動に活用したり他の関節駆動用のアクチュエータと連動させたりするための具体的な手法を研究する.具体的には,CMGのトルクを歩行動作のために活用する手法を明らかにする.
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