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骨格筋における新規尿酸輸送体の生理的役割の解明:基質選択性変動マウスの作出・解析

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0564
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分59040:栄養学および健康科学関連
研究機関東京大学

研究代表者

窪田 優  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード尿酸 / トランスポーター / In vivo / CRISPR/Cas9 / ノックインマウス / LC-MS/MS
研究開始時の研究の概要

膜輸送体Xは、尿酸とは類似性の低い物質の輸送体として知られているが、申請者らは生体内の条件を模した人工的な環境下で新たにXの尿酸輸送能を見出した。そこで、Xが生体内で実際どのように尿酸の運搬に関与するかを明らかにするため、Xの既知の基質の輸送能は保持し、尿酸輸送能のみが低下あるいは亢進する遺伝子変異を有するマウスを作出し、各マウスの尿酸動態を解析する。各マウスの尿酸動態比較や、Xの機能が低下したマウスの特定の臓器に対してXの機能を補う実験を行い、Xが尿酸の運搬に関与する臓器や輸送の方向性、またそれらの働きが生体に与える影響を明らかにすることで、尿酸動態制御機構に関する新たな知見の獲得を目指す。

研究実績の概要

本研究は、当研究室のin vitro研究により尿酸を含む複数の生理基質を輸送することが明らかとなった、新規尿酸輸送体Slc-Xの生理的重要性の解明を目的とした2年研究であり、4系統の遺伝子改変マウス(Slc-Xの尿酸輸送機能が①低下または②亢進する点変異導入、③Slc-X遺伝子欠損、④対照群)の表現型を比較することにより、目的を達成することを目指している。なお、すべての系統において、ヒトが有さない尿酸代謝酵素であるウリカーゼ (Uox) も欠損したマウスを使用することで、よりヒトの尿酸動態に近い条件下でin vivo解析を行う。
<4系統の遺伝子改変マウスの系統樹立>CRISPR/Cas9システムによる作出に成功したF0マウスと、Uox遺伝子欠損マウスとの交配を行うことで対照群を除く3系統の遺伝子改変マウスの系統樹立を進めた。現在すべての系統でSlc-Xの変異とUoxの欠損をともにホモ接合体で有するマウスが得られ、それらすべてが成体まで生存可能であることを確認した。現在は実験に必要な個体数を確保するべく、飼育数拡大に取り組んでおり、間もなく表現型解析を実施できる。
<Slc-X抗体の選択と使用条件の検討>表現型解析の際には、Slc-Xの組織内の発現量や細胞内局在を把握することが必要となる。そのため、それらの解析に必要となるSlc-Xの検出に用いる抗体を購入し、培養細胞や生体サンプル中のSlc-Xタンパク質の検出および培養細胞に発現しているSlc-Xの細胞内局在の観察を行うために実験条件の最適化を行った。
<生体サンプルの尿酸測定系の確立>生体サンプル内の尿酸レベル測定にLC-MS/MSを使用するため、用いるカラムの決定、移動相組成のグラジエント溶離条件の決定、サンプルの前処理方法の確立、用いる内部標準物質の決定を行い、マウスの個体数が揃い次第、尿酸動態解析が行える状況である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度に行うことが計画されていた、本研究の要となる遺伝子改変マウスの交配には時間を要することが当初から想定されていた。また、変異導入アレルをホモ接合体で有するマウスが生存可能か、成体まで成長可能かといった情報は交配を繰り返すことでしか情報を得ることができないため、もし各系統の繁殖にトラブルがあれば、想定以上の時間を要することもあるが、結果的に本計画で扱う遺伝子改変マウスのすべての系統がその点トラブルなく、マウスの繁殖は想定し得る中で最も早く進んでいる。加えて、マウスの解析に必要な測定系などの準備がマウスの交配期間のうちに完了しており、マウスの個体数が揃い次第表現型の解析を行える体制が整ったため。

今後の研究の推進方策

遺伝子改変マウスの各系統樹立及び組織中尿酸濃度の測定系の立ち上げに成功したため、今後はこの系を用いて各系統及び対照群であるUox KOマウスの血漿、組織中尿酸濃度を測定することで各系統のマウスの表現系の比較を行う予定である。
また、摂食時を含む特定の状況下においてSlc-Xが重要な役割を担っているという報告もあることから、それらの条件下における解析も行う。
系統間で表現型の差異が確認された組織については、アデノ随伴ウイルスを用いた組織特異的遺伝子レスキュー実験に必要な系の確立を進める。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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