• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

ミューオピオイド受容体のアロステリックモジュレーターによる活性化機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0574
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分47020:薬系分析および物理化学関連
研究機関東京大学

研究代表者

金子 舜  東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード核磁気共鳴共鳴法 / Gタンパク質共役型受容体 / アロステリックモジュレーター
研究開始時の研究の概要

オピオイド鎮痛薬などの標的分子であるミューオピオイド受容体(MOR)は、アゴニストが細胞外側に存在するポケットに結合するとGタンパク質を活性化し鎮痛作用を誘起する。細胞外側のポケットとは異なる部位に結合して、アゴニストが結合したMORの活性をさらに上昇させるポジティブアロステリックモジュレーター(PAM)は、MORが誘起する鎮痛作用をより強めることのできる新規鎮痛薬として期待されている。
そこで本研究では、PAMを合理的に設計するための開発指針を与えるため、PAMによりMORが活性化する機構を、溶液NMR法、およびクライオ電子顕微鏡を用いた構造解析により明らかにする。

研究実績の概要

臨床で広く用いられているオピオイド鎮痛薬の標的であるミューオピオイド受容体(MOR)について、そのリガンド結合部位とは異なる部位に結合してMORのシグナル伝達活性をアゴニスト単独で結合したときよりも高める化合物をアロステリックモジュレーターと呼ぶ。本研究ではアロステリックモジュレーターによってMORのシグナル伝達活性が上昇する機構を明らかにすることを目的として、クライオ電子顕微鏡および溶液核磁気共鳴法(NMR)を用いた構造解析を行った。アロステリックモジュレーターBMS-986122結合状態においてMORとGタンパク質、構造安定抗体scfv16の複合体についてクライオ電子顕微鏡解析を行いその構造決定に成功した。決定した構造ではBMS-986122由来の密度が観測され、その結合部位が膜貫通ヘリックス3,4,5に囲まれるポケット上にあることが示された。また、その構造からBMS-986122の結合に伴ってMORの主鎖構造に大きな変化はないものの、Gタンパク質共役型受容体に広く保存される残基であるR167,Y254の側鎖の配向が変化していることが示唆された。これらの残機間の相互作用の変化がMORのシグナル伝達活性の上昇に寄与しているかを調べるため、両残基の近傍に存在するM257に由来するNMRシグナルの解析を行った結果、BMS-986122の結合に伴い、NMRの静磁場依存的にM257由来NMRシグナルの線幅が増大したことから、BMS-986122の結合によりM257側鎖の運動性が抑制されたことが示された。以上よりM257はR167,Y254近傍に存在することから、BMS-986122の結合によりR167とY254の相互作用が強まることで、MORの構造がより活性の高い状態へと安定化されることで、MORのシグナル伝達活性が上昇することが示唆された。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書

URL: 

公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi