研究課題/領域番号 |
23KJ0625
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金島 時 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 外胚葉 / パターニング / 神経堤 / メカノバイオロジー / 発生生物学 |
研究開始時の研究の概要 |
脊椎動物の胚発生では、細胞間の分子的シグナル伝達により細胞の運命が決定される。しかし、複雑な組織パターンを再現性よく決定するメカニズムについては十分に理解されていない。これに対し、近年、細胞が受ける張力・圧力等の力学的刺激により細胞の運命が制御されることが明らかになりつつある。本研究では、神経管閉鎖に伴う力学的刺激に着目し、ツメガエルの神経パターン形成における張力の意義の解明を目指す。
|
研究実績の概要 |
神経胚期の外胚葉組織の各領域の機械的特性をより詳しく調べるため、北海道大学の原子間力顕微鏡を用いたヤング率の実測を行い、ツメガエル初期神経胚の外胚葉にヤング率の勾配が存在することを初めて明らかにした。陰圧による組織の吸引を行い、吸われた組織の長さから組織にかかる張力を推定する評価系を立ち上げ、ツメガエル外胚葉にかかる張力を測定した。AFMと吸引による評価系は、一致する結果を示したことから、外胚葉細胞は領域ごとに異なる機械的特性を有することが示唆された。また、外胚葉細胞が受ける張力を生体スケールで増減させた際の各神経マーカー遺伝子の発現パターンを、whole-mount in situ hybridizationとqRT-PCRを用いて解析し、張力の増強が神経堤マーカー遺伝子Foxd3, Slugの発現を亢進することを明らかにした。また、神経胚に機械的刺激を付加をした際に、神経形成に関わるBMP・FGF・Wntシグナル経路の活性レベルが増強されることを明らかにした。ツメガエル細胞が受ける張力を緩和する実験系として、ヒトスジシマカ由来のリン脂質スクランブラーゼAaXKRを過剰発現させる系を立ち上げた。張力の緩和は、張力の増強とは逆に、神経堤マーカー遺伝子の発現を阻害し、FGF, Wntシグナル経路を速成することを明らかにした。これらの成果を、日本分子生物学会および国際ツメガエル研究集会で発表した。また、これらの研究成果を論文としてまとめ、The International Journal of Developmental Biologyに誌に投稿し、revisionを行った。
|