研究課題/領域番号 |
23KJ0636
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分16010:天文学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大和 義英 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 惑星系形成 / 星間化学 / 電波天文学 |
研究開始時の研究の概要 |
太陽型の星の周囲に形成される円盤は、系外惑星の誕生の現場である。しかし、系外惑星の形成過程はいまだ完全には明らかになっていない。本研究では、これまで注目されてきた円盤よりも進化段階の若い円盤に着目し、Atacama Large Millimeter/submillimeter Array (ALMA) の高解像度観測データを用いることで、若い円盤の物理・化学構造を観測的に特徴づけることを目的としている。特に、円盤の温度構造及び星間空間における主要な分子である一酸化炭素の存在度を定量的に推定し、より進化の進んだ円盤と比較することで、系外惑星形成過程の全貌に迫る。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、惑星形成の初期段階にある円盤における物理構造・化学組成を、大型電波干渉計ALMAによる高解像度・高感度観測により詳細に明らかにすることである。近年、惑星は従来思われていたよりも早い進化段階から形成され始めることが示唆されている。本研究では、そのような若い段階に着目し、惑星形成における物理・化学進化過程の全貌に迫ることを目指す。
まず、国際大型共同研究として実施中であるALMAの大型観測プロジェクトeDiskの枠組みで、原始星L1489 IRS周囲の円盤の高解像度観測データを用いて、円盤構造の特徴づけおよび円盤のケプラー回転を利用した中心星質量の正確な測定を行った。電波干渉計の生データの詳細な解析により円盤内にリング構造が存在することを明らかにし、測定された中心星質量の情報などと合わせて、円盤内で惑星形成が起こっている可能性を示した。加えて、急激なガスの降着による衝撃波などで存在量が増えると考えられている硫黄系分子ガスの高速度な回転構造を円盤中心付近で発見した。
また、一時的な質量降着により増光を示す若い原始星の周囲の円盤に着目し、大型有機分子ガスの組成の観測的特徴づけを行った。本研究では若い円盤において初めて、10種以上の多くの有機分子を検出し、それらの存在量が円盤を持たない原始星天体に比べて系統的に多いこと、および炭素同位体比(12C/13C)が星間空間に比べて著しく低いことを初めて明らかにした。これらより、若い円盤における化学反応が、星間空間から惑星系への化学組成の進化に重要な役割を果たしている可能性を示唆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
まず、今年度は当初の目標であったeDiskプロジェクトにおける原始星L1489 IRSの観測データの解析・論文執筆を終え、論文として出版することができた。さらに、eDiskプロジェクト全体においても、電波観測画像の作成の一部に携わるなど貢献した。L1489 IRSの成果はeDiskプロジェクト内でも最初に論文が受理されたほか、大規模な国際会議でもeDiskの最初の成果として紹介された。さらに、別の原始星円盤において大型有機分子の検出、および炭素同位体比の制約という、若い円盤における化学組成に重要な示唆を与える興味深い成果を挙げ、こちらも論文として出版することができた。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、今年度後半に行った原始星円盤における大型有機分子の検出に関連して、他の円盤天体でもALMAの高感度観測によって同様の大型有機分子の検出が見られたため、この解析・論文執筆に集中的に取り組み、論文として出版することを目指す。また、同時に、これまでALMAやVLAに観測提案を行い獲得した、あるいは獲得予定のデータの解析を進め、円盤や原始星段階におけるガスの同位体比の測定や物理構造の解析を進め、論文として出版することを目指す。
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