研究課題/領域番号 |
23KJ0715
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分07040:経済政策関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高倉 一真 東京大学, 経済学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2025年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | イノベーション / 研究開発投資 |
研究開始時の研究の概要 |
先進国からの技術移転推進と途上国での技術開発支援のどちらが望ましいかという政策的に重要な議論には、未だに決着がついていない。本研究は、(A)技術と環境のミスマッチが途上国の生産性に与える影響を実証した上で、(B)途上国がより高い生産性を実現するための望ましい技術政策を明らかにする。(A)では技術と環境のミスマッチが技術移転と生産性に与える影響のパネルデータ分析を行う。(B)では最適な技術移転政策と技術開発支援政策のシミュレーションを行った上で、二つの政策の効率性を比較する。
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研究実績の概要 |
研究論文”Knowledge Spillovers and Strategic Network Formation”を執筆した。この論文では企業の共同研究が研究開発投資に与える影響を、米国の企業データと特許データを用いて実証的に分析した。具体的には、企業がどのように共同研究相手を選択するのかを明らかにした上で、共同研究による知識の伝播(スピルオーバー)の度合いを数値的に評価した。共同研究には、協力することでそれぞれの企業固有の知識を補完しあうことで新たな技術開発につながるという正のインセンティブと、技術開発の利益を独占できなくなるという負のインセンティブが存在することが考えられる。このメカニズムを説明するために、ゲーム理論に基づく理論モデルを構築した上で、米国の企業データと特許データを用いて構造推定を行なった。先行研究では共同研究相手の選択と共同研究による知識スピルオーバーの両方を同時に考えることは難しかったが、二段階モデルを用いた構造推定アプローチによって、この二つの事象を同時に分析することを試みた。この結果、共同研究相手を決定する要因と研究開発投資額を決定する要因に関して推定値を得た。また、知識スピルオーバーの大きさに関して、共同研究相手の選択を考慮すると、考慮しない場合に比べて50%ほど大きい推定値が得られることがわかった。さらに、得られた推定値を用いて、企業の研究開発投資を効率的に増やすための補助金配分政策の反実仮想分析を行なった。この論文について、Summer Workshop on Economic TheoryやSIHS Seminar Seriesで発表を行い、セミナー参加者からのフィードバックを受けた。フィードバックをもとに論文を改訂し、投稿準備を行なった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
最適な技術開発支援政策を明らかにするためのシミュレーション分析のフレームワークを構築できたから。
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今後の研究の推進方策 |
途上国の研究開発に関するデータセットを構築し、適切な技術政策を分析するフレームワークを用いて、途上国がより高い生産性を実現するための望ましい技術政策を明らかにする。
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