研究課題/領域番号 |
23KJ0810
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分44010:細胞生物学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
馬渕 陽 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2025年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 液-液相分離 |
研究開始時の研究の概要 |
生命現象の適切な進行には、特定の機能を果たしたタンパク質複合体がタイミングよく解体されることが重要である。一般に、タンパク質複合体が解体される際には、酵素などの分子が1 つ1つの複合体構成分子に作用し、分子間結合を解離させると考えられている。しかし、この考え方では、多数のタンパク質からなる巨大な細胞内構造体を “迅速に”解体させるメカニズムを説明するのは難しい。本研究では、「細胞内構造体の物性変化」という独自の観点から、注目する巨大な細胞内構造体の迅速な解体を可能にするメカニズムとその生理的意義を明らかにする。
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研究実績の概要 |
生命現象の適切な進行には、特定の機能を果たしたタンパク質複合体がタイミングよく解体されることが重要である。本研究では、「多数の構成分子からなる巨大な細胞内構造体が、どのように迅速に解体されるのか」という問いに対し、「細胞内構造体の液相への物性変化」という独自の観点から、そのメカニズムと生理的意義を明らかにすることを試みる。当該年度においては、着目する細胞内構造体の解体メカニズムについて、以下の進捗を得ている。 これまでに、ノックアウト細胞株等を用いた細胞生物学的な解析により、着目する細胞内構造体の解体を制御する酵素を新規に同定していたが、その詳細なメカニズムは不明であった。当該年度においては、生化学アッセイおよび質量分析法を用いて、この解体酵素を介した構造体解体の分子機構の詳細な解析を行った。その結果、この解体酵素が特定の構造体構成分子と相互作用し、翻訳後修飾を直接的に付加することが明らかとなった。さらに、この解体酵素が構成分子間の相互作用を弱めることを見出した。今後は、クロスリンキング質量分析法等を用いて、翻訳後修飾を介した構成分子間の相互作用の詳細な変化をアミノ酸レベルで解析し、液相への物性変化を介した構造体解体メカニズムの詳細に迫る予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定通り、着目する細胞内構造体の解体メカニズムに関して、その詳細な分子機構の解析を行い、翻訳後修飾を介した解体メカニズムの一端を明らかにした、さらに、液相への物性変化の検出系の構築においても一定の進捗を得ていることから、順調に研究が進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
生理的な条件下において、注目する細胞内構造体の液相への物性変化が起こっているかを検証する。CRISPR-Cas9システムを用いた遺伝子ノックインにより細胞株を作製し、粘性感受性蛍光プローブや、光褪色後蛍光回復法を用いて構造体の粘性変化を評価する。また、物性変化の分子メカニズムに関して、クロスリンキング質量分析法を用いて、翻訳後修飾による分子間相互作用の変化をアミノ酸レベルで網羅的に解析し、分子機序を明らかにする。その後、確立した物性変化の評価系、および翻訳後修飾の導入部位や分子間相互作用の情報を基に、物性変化能を欠失した細胞を作成する。この細胞株を用いて、注目する細胞内構造体が短時間で解体される生理的意義を問う。
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