研究課題/領域番号 |
23KJ0839
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
末森 晴賀 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | オスマン朝 / フランス / 海上秩序 / 海賊 / 捕虜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、オスマン朝を中心にヨーロッパ諸国との間で形成された「海賊」をめぐる海上秩序について、特に18世紀の対フランス関係を中心に明らかにするものである。アフドナーメ/カピチュレーションにもとづく海上秩序の形成過程や実際の「海賊」取り締まりにおける適用、フランス側から見たオスマン朝を中心とする海上秩序との関わり、「海賊」案件の当事者である捕虜自身の視点を通して、オスマン朝-フランス間の海上秩序を多面的に分析する。近現代の海洋法とも比較検討することで、海洋法のあり方を捉えなおすことにもつながる。
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研究実績の概要 |
本研究は、オスマン朝を中心にヨーロッパ諸国との間で形成、実践された「海賊」をめぐる海上秩序について、研究代表者がそれまで明らかにしたオスマン朝-ヴェネツィア間の海上秩序に関する研究の続きとして、オスマン朝-フランス間のそれについて分析するものである。具体的には、①オスマン朝を中心とする海上秩序の形成と「海賊」の取り締まり、②フランス側から見た「海賊」をめぐるオスマン朝との関わり、③捕虜になった人物の視点の検討を通して、オスマン朝-フランス間の海上秩序を多面的に捉えることが目的である。 本年度は採択期間の初年度にあたるため、研究の前準備として、現地の文書館に赴いて研究に用いる史料の収集を中心に行った。トルコ・イスタンブルの大統領府オスマン文書館では、オスマン朝-フランス関係に関するオスマン文書の台帳をすべてデジタルデータの形で入手した。フランス・パリの国立文書館では、オスマン領チュニジアに駐在していたフランス領事の報告書を複写した。また、ナポレオン率いるフランス軍がヴェネツィアを占領した出来事は、研究代表者がそれまで分析の対象としていたオスマン朝-ヴェネツィア間の海上秩序と、本研究の対象であるオスマン朝-フランス間の海上秩序のつなぎ目を考えるための素材になり得る。そこで、ナポレオンのヴェネツィア占領前後に、オスマン朝に連れ去られたヴェネツィア人捕虜の処遇を明らかにするため、フランス・ナントの外交文書館では、これについてオスマン領アルジェリアのフランス領事が記録した領事報告書を複写することができた。 今回収集した史料をもとに、次年度は具体的な分析を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画では、1年目にトルコやギリシア・クレタ島の図書館・文書館で史料調査を行い、2年目にはフランスで史料調査を行う予定であった。本年度は次年度の計画を前倒しする形で、トルコとフランス両方で史料調査を行い、必要な史料をおおむねそろえることができた。一方、当初予定していたクレタ島での史料調査は日程の都合で行うことができず、また今回フランスで行った調査では、全ての史料を取りきることができなった。そのため、残りの史料調査は次年度に持ち越されることになった。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度行うことができなかったクレタ島での史料調査や、フランスの文書館で調査の続きを行う。史料が揃い次第分析を行い、再来年度に成果発表することを目指す。
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