数学では二つの全く異なる分野の間に思わぬ関係が存在し、その架け橋を経由することにより一つの分野だけでは思いつかなかったような面白い結果を示すことができる事がある。本研究が位置する遠アーベル幾何学とはまさにそのような架け橋の一つであり、具体的には幾何学(代数多様体)と代数学の関係を説明している。 本研究は既に形作られている遠アーベル幾何学を、有限次可解という性質に立脚して再展開するというものである。この有限次可解という性質は代数の中でも特に計算機的に扱いやすい性質であり、従って本研究は本来非常に複雑な幾何学の世界を計算機的にも扱いやすい代数の世界へ渡す懸け橋を構築するものだと捉えることができる。
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