• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

TESSとの多波長同時観測によるBeX線連星の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0913
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分16010:天文学関連
研究機関東京工業大学

研究代表者

庭野 聖史  東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード大質量星 / Be星 / 星震学 / 恒星の脈動 / X線連星
研究開始時の研究の概要

Be X線連星の多波長測光、分光観測をトランジット系外惑星探査衛星TESSと同時に実施し、スペクトルエネルギー分布とパワースペクトルの解析を行うことで物理量を取り出し、それをアウトバースト発生前、発生中、発生後などの複数の時点で比較することでBe X線連星におけるBe星の質量放出機構、アウトバーストの発生機構などを明らかにする。

研究実績の概要

Be/X線連星は2種類のアウトバーストをはじめとする、特徴的で機構が未解明である様々な現象を示し、その解明のためにはBe星の星周円盤への理解が不可欠である。特に、星周円盤の生成機構は重要な未解決問題である。我々は銀河系内の17個のBe/X線連星について、トランジット系外惑星探査衛星(TESS)のライトカーブを用いて周期的可視光フラックス振動を解析し、Swift/BAT、MAXI/GSC、ZTF、ATLAS、そしてGattini-IRによる多波長長期ライトカーブと比較することで、脈動などのBe星の活動と星周円盤の発達の関係を調査した。この結果、5つの天体でジャイアントアウトバーストと見られるX線アウトバーストと、星周円盤の発達・消滅由来と考えられる可視光・近赤外線の長期変動が確認された。また、脈動由来と見られるフラックス振動の振幅と星周円盤の発達に反相関関係があることを発見した。これは非動径脈動がBe星の星周円盤形成に寄与するという従来の説に真っ向から反するものである。そこで我々はBe星内部の温度変化が脈動が盛んな状態と質量放出が盛んな状態との状態遷移を引き起こすというシナリオを提案した。この研究について博士論文を執筆し、博士(理学)の学位を取得した。また、第14回光赤外線大学間連携ワークショップ、第23回高宇連研究会にて同研究の発表を行った。現在、これをもとにした投稿用論文を執筆中であり、投稿へ向けた議論のために米国テキサス工科大学とカリフォルニア工科大学へ赴き、共同研究者とのミーティングを実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

星周円盤の生成機構はそれ自体がBe星に関する未解決問題の一つであることに加え、Be星及びBe/X線連星における現象の殆どで星周円盤は重要な役割を果たすため、星周円盤の生成機構に新たな制約を与えた本研究の成果は重要であり、当初の予想を超えた結果であるといえる。
一方で、当初の計画ではアウトバーストの発生前、発生中、発生後などのTESSデータを使用してアウトバーストの発生機構に制約を与えることを目的としていたが、残念ながら一昨年から昨年にかけたTESSデータに何れかのBe/X線連星のアウトバーストをカバーするものはなく、これに関する研究は限定的なものとなってしまった。

今後の研究の推進方策

昨年度までの研究ではサンプル数の不足によって統計的な議論が困難であったため、今年度(及びそれ以降)のTESSデータも用いることでこの問題の解決を図る。加えて、昨年度は専ら多波長の測光データを使って研究を行ったが、星周円盤の振る舞いをより理解するためには輝線プロファイルの調査による円盤の回転速度や密度分布の非対称性への制約、及び偏光度、偏光角の調査による円盤の幾何構造への制約が重要であり、このためには分光・偏光観測が不可欠である。故に、光赤外線天文学大学間連携を利用した、他の機関の望遠鏡による分光・偏光観測に重点を置く。
それと並行して、査読付き論文の投稿及び国内国外問わない様々な学会への参加によって博士論文研究の成果発表を積極的に行う。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] マサチューセッツ工科大学/カリフォルニア工科大学/テキサス工科大学(米国)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Be X線連星のフラックス周期解析及び多波長期変動解析2024

    • 著者名/発表者名
      庭野聖史, 笹田真, 高橋一郎, 谷津陽一, 河合誠之
    • 学会等名
      第14回光赤外線天文学大学間連携ワークショップ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Multi-wavelength study oflong-term activities ofgalactic Be/X-ray binaries2024

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Niwano
    • 学会等名
      第23回高宇連研究会+博士論文発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi