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コンドリュールとリムの同時形成モデルとそれに基づく初期太陽系加熱現象の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0929
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分17010:宇宙惑星科学関連
研究機関東京工業大学

研究代表者

金子 寛明  東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
キーワードコンドリュール / ダスト / コンドライト隕石
研究開始時の研究の概要

惑星形成はnm、μmサイズの微小ダストから始まり、様々な粒子サイズの時期を経て惑星まで成長する。初期のmm、cmサイズまでの成長段階の物質は始原的な隕石の中に見つけることができる。その代表例がコンドリュールである。コンドリュールは瞬間的な加熱溶融の後、冷却固化したと考えられている。この加熱現象は惑星科学の重要な未解明問題である。
本研究ではコンドリュールとその周りを覆う微小ダスト層のリムの同時形成に注目して加熱現象の謎に迫る。加熱現象として有力な衝撃波と雷について、隕石内に見出されるリムの特徴を再現可能な条件を明らかにする。

研究実績の概要

コンドリュールの中には、細粒のダストでできたリムで覆われたものが多く存在する。近年、このリムの起源として、コンドリュール表面へ高速衝突したダストの付着が提案された。このような高速衝突は、コンドリュールの起源として考えられている様々な加熱現象の間に起きうる。そこで本研究では、コンドリュールの形成とリムの形成が同一現象によるものであると仮定する。本研究の目的は、この仮定のもとで、コンドリュールの形成モデルにリムの形成を導入し、隕石中に実際に観察されるリムの性質との比較を行うことで加熱現象の発生状況を明らかにすることである。
本年度は微惑星衝突によるコンドリュールの形成モデルについて取り組んだ。この現象下では、衝突後に放出したコンドリュールや蒸気の“雲”は原始太陽系星雲に向かって高速で広がると考えられる。この時、ダストの高速衝突と付着によるリムの形成も起きる可能性がある。本年度の成果は、先行研究のモデルと結果の再現を完了し、新たに背景の蒸気やダストから受ける抵抗を考慮したコンドリュールの運動をモデルに組み込んだことである。リムを作るダストは蒸気から再凝縮したダストや広がる蒸気の “雲”が掃いた星雲中のダストと考えられる。このようにして作られるリムが実物と同じ性質(厚みなど)を示す条件から、衝突した微惑星のサイズや原始太陽系星雲中のローカルなガス・ダスト密度を明らかにできる感触を得た。次年度では、この微惑星衝突時のリムの形成についてモデルを洗練し、現象の発生状況を具体的に制約する予定である。
元々予定していた一次元の衝撃波モデルについては、本年度は先行研究の計算結果を再現するコードを作成するところまではできた。次年度では上記の微惑星衝突モデルの研究を優先しつつ、衝撃波モデルにおけるリムの形成やダストの加熱によるプレソーラー粒子の破壊について条件の調査も行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画から変更して微惑星衝突の場合について取り組んだため、計画していた衝撃波の場合の進捗はやや遅れている。しかし、微惑星衝突については、リムの形成という新しい視点をもとに衝突した微惑星のサイズや原始太陽系星雲中のローカルなガス・ダスト密度を明らかにできる感触を得た。総合して、順調に進んでいると考える。

今後の研究の推進方策

微惑星衝突や衝撃波におけるリムの形成のモデルを洗練して、現象の発生状況を明らかにする。得られた結果をもとに、原始太陽系星雲中の他の現象や微惑星・惑星形成の描像との関連性を議論し、論文としてまとめる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Oxygen isotope exchange between molten silicate spherules and ambient water vapor with nonzero relative velocity: Implication for chondrule formation environment2023

    • 著者名/発表者名
      Arakawa Sota、Yamamoto Daiki、Ushikubo Takayuki、Kaneko Hiroaki、Tanaka Hidekazu、Hirose Shigenobu、Nakamoto Taishi
    • 雑誌名

      Icarus

      巻: 405 ページ: 115690-115690

    • DOI

      10.1016/j.icarus.2023.115690

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Formation and Radial Transport of Chondrules in the Inner Solar System: Model on Ordinary and Rumuruti Chondrite’s Oxygen Isotope Compositions2023

    • 著者名/発表者名
      金子寛明、中本泰史
    • 学会等名
      The 14th Symposium on Polar Science
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] コンドリュール形成と円盤内物質輸送による酸素同位体組成の進化2023

    • 著者名/発表者名
      金子寛明、中本泰史
    • 学会等名
      日本惑星科学会2023年秋季講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Oxygen Isotopes of Chondrules in Accreting Solar Nebula2023

    • 著者名/発表者名
      金子寛明、中本泰史
    • 学会等名
      The 85th Annual Meeting of Meteorite Society
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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