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骨格筋適応の多様性を決定する活性酸素動態の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ0967
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分59020:スポーツ科学関連
研究機関電気通信大学

研究代表者

狩野 遼太郎  電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2025年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード骨格筋 / 活性酸素 / イメージング / 筋収縮 / 熱ストレス
研究開始時の研究の概要

活性酸素種(ROS)のダイナミクスは細胞の適応を決定する可能性がある.運動はその様式により骨格筋の肥大や持久力の向上,損傷など様々な適応をもたらす.本研究では運動様式の違いによるROSダイナミクスが骨格筋の適応を導く要因であるのか否かを明らかにする.ROSによる骨格筋適応のメカニズムが明らかになれば運動の効果を得やすい運動方法やROSダイナミクスをターゲットにした新たな筋量制御方法が確立できる可能性がある.

研究実績の概要

活性酸素は筋収縮や熱ストレスによる骨格筋の適応を制御する重要な因子であることが明らかにされつつある。しかしながら筋収縮や熱ストレスによる骨格筋の活性酸素動態やその動態に応じた骨格筋適応は明らかにされていない。
2023年度は我々が確立したIn vivo ROS イメージングを用いて骨格筋への様式の異なる筋収縮や冷却刺激におけるROS動態を明らかにした。まず、短縮性収縮(CONC)と伸長性収縮(ECC)によるROS動態の変化に着目して研究を進めた。エレクトロポーレーション法によりROSの1種であるH2O2感受性タンパク質であるHyPer7をマウス前脛骨筋に発現させ筋収縮前後で蛍光顕微鏡を用いて観察を行った。CONCとECCはともにH2O2レベルを増加させたが、ECCはCONCと比較してH2O2レベルが高く、高値が収縮後60分間維持された。さらにECCによるH2O2の増加はNADPHオキシターゼ2由来であることが確認された。
骨格筋への冷却刺激におけるROS動態の観察は上記で述べた収縮モデルと同様の手法を用いた。冷却刺激は温度依存的に筋細胞内H2O2レベルを低下させる動態を示した。
今後はこれらのROS動態と骨格筋適応の関係をシグナル伝達経路や遺伝子発現・タンパク質量の点から検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

筋収縮・熱ストレスモデルにおいて生体内環境下を保持した状態で骨格筋のROS動態を明らかにできたことから概ね計画通り進行している。また、次年度に向けた実験の準備も先行して実施できていることから概ね順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

記述の通り、次年度はROS動態の変化が骨格筋適応の違いをもたらすのか?という問いについて研究を進めていく。そのために遺伝子導入や薬剤、熱ストレスなどを用いてROS動態を変化させるモデルを作成する。その後、ROS動態と遺伝子発現、タンパク質発現などとの関係性を明らかにすることでROS動態がもたらす骨格筋への制御機構解明を追求していく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] In vivo cytosolic H<sub>2</sub>O<sub>2</sub> changes and Ca<sup>2+</sup> homeostasis in mouse skeletal muscle2024

    • 著者名/発表者名
      Kano Ryotaro、Tabuchi Ayaka、Tanaka Yoshinori、Shirakawa Hideki、Hoshino Daisuke、Poole David C.、Kano Yutaka
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology-Regulatory, Integrative and Comparative Physiology

      巻: 326 号: 1 ページ: R43-R52

    • DOI

      10.1152/ajpregu.00152.2023

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Cooling of male rat skeletal muscle during endurance‐like contraction attenuates contraction‐induced PGC‐1α mRNA expression2023

    • 著者名/発表者名
      Hoshino Daisuke、Wada Ryota、Mori Yutaro、Takeda Reo、Nonaka Yudai、Kano Ryotaro、Takagi Ryo、Kano Yutaka
    • 雑誌名

      Physiological Reports

      巻: 11 号: 21 ページ: 1-11

    • DOI

      10.14814/phy2.15867

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Cmah deficiency blunts cellular senescence in adipose tissues and improves whole‐body glucose metabolism in aged mice2023

    • 著者名/発表者名
      Takeda Reo、Tabuchi Ayaka、Nonaka Yudai、Kano Ryotaro、Sudo Mizuki、Kano Yutaka、Hoshino Daisuke
    • 雑誌名

      Geriatrics &amp; Gerontology International

      巻: 23 号: 12 ページ: 958-964

    • DOI

      10.1111/ggi.14732

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Hydrogen Peroxide Dynamics in Cytoplasm and Mitochondria of Mouse Skeletal Muscle during Concentric and Eccentric Contractions2023

    • 著者名/発表者名
      Ryotaro Kano, Hideki Shirakawa, David C. Poole, Daisuke Hoshino, Yutaka Kano
    • 学会等名
      American College of Sports Medicine Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] マウス骨格筋の短縮および伸長性収縮における細胞質・ミトコンドリアH2O2動態.2023

    • 著者名/発表者名
      狩野 遼太郎, 星野 太佑, 狩野 豊.
    • 学会等名
      第31回運動生理学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 筋収縮と阻血時における筋細胞内の活性酸素種レベルとカルシウムイオン恒常性.2023

    • 著者名/発表者名
      狩野 遼太郎,田渕絢香,田中嘉法,白川英樹,星野太佑,狩野豊.
    • 学会等名
      第35回呼吸研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] マウス骨格筋の短縮性および伸張性収縮における活性酸素(H2O2)動態と遺伝子発現の関係性.2023

    • 著者名/発表者名
      狩野 遼太郎,草野達也, 竹田怜央,白川英樹,狩野豊,星野太佑.
    • 学会等名
      第10回骨格筋生物学研究会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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