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精巣-脳連関に基づく自閉症発症メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1024
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関金沢大学

研究代表者

仁田原 憲太  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード自閉症 / 不妊症 / 性差 / 減数分裂
研究開始時の研究の概要

自閉症は有病率の高い神経発達障害であるが、男女比が4:1と男性優位に発症することが知られている。近年、クロマチンリモデリング因子であるCHD8が自閉症の最も有力な原因遺伝子として同定された。申請者らはCHD8は神経細胞以外の臓器、特に精巣での発現が高いことを突き止めた。精巣は性ホルモンを介して神経発生に影響を与えるため、精巣と脳の連関が自閉症発症における性差の解明へとつながることが期待される。そこで本研究では精巣におけるCHD8の機能を解析し、それがどのように自閉症発症に寄与するかを解明する。最終的には性差を介した自閉症発症の新たなメカニズムを明らかにするとともに疾患治療への応用を目指す。

研究実績の概要

自閉症とは、社会的相互関係の障害および限定された興味やこだわりといった特徴をもつ神経発達障害である。高い発症率や社会生活に大きな影響が出る症状のため、大きな社会問題となっている。自閉症は男女比が4:1と男性優位に発症するという性差が疫学的に知られているが、その原因はわかっていない。近年、クロマチンリモデリング因子CHD8が最も有力な自閉症原因候補遺伝子として同定され、世界中で大きな反響を呼んでいる。
我々はCHD8が全身臓器のなかで特に精巣に強く発現していることを突き止めた。我々はまずCHD8の生殖においての役割を調べた。精巣特異的にCHD8を欠損させたマウスは不妊になり、特に生殖細胞の分化においてCHD8は減数分裂初期の進行に重要であることが明らかになった。CHD8が欠損したマウスの生殖細胞では第一減数分裂の初期で分化が停止し、アポトーシスを起こすことがわかった。CHD8は減数分裂特異的H3K4me3メチルトランスフェラーゼ遺伝子であるPrdm9の遺伝子発現に関与しており、減数分裂時のDNA二本鎖切断に必須であることが判明した。また、CHD8は減数分裂特異的コヒーシンやシナプトネマル複合体遺伝子の転写開始点近傍に存在し、それらの転写を調節することで減数分裂の進行に重要な役割を果たしていることを次世代シークエンス解析等を行い明らかにした。
これらの解析を論文としてまとめ2024年1月に国際誌にて発表した。次年度は精巣特異的にCHD8を欠損させたマウスの行動異常に関しても解析していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CHD8が生殖、特に減数分裂において必須の役割を持つことを突き止めた。これまでの成果をまとめ、国際誌において発表することができた。以上の結果から概ね順調に進展していると考えられる。

今後の研究の推進方策

CHD8の精巣における役割は明らかになったので、今後は精巣を介してCHD8が自閉症様行動にどうかかわっているかを検証していく予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Chromatin remodeler CHD8 is required for spermatogonial proliferation and early meiotic progression2024

    • 著者名/発表者名
      Nitahara Kenta、Kawamura Atsuki、Kitamura Yuka、Kato Kiyoko、Namekawa Satoshi H、Nishiyama Masaaki
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 52 号: 6 ページ: 2995-3010

    • DOI

      10.1093/nar/gkad1256

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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