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染色体構造依存的なdilncRNA代謝によるDSB修復経路選択機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1036
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分43010:分子生物学関連
研究機関福井大学

研究代表者

東出 望花  福井大学, 学術研究院工学系部門, 特別研究員(RPD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードDSB修復 / クロマチン / 減数分裂 / lncRNA
研究開始時の研究の概要

DNA二重鎖切断(DSB)の修復経路選択性は、周辺の染色体構造によって変化する。一方で、DSB切断点から両方向に何千塩基も転写されるDamage-induced lncRNA(dilncRNA)の一過的な代謝状況の変化はDSB修復経路選択性に影響する。しかし、染色体構造の違いによるdilncRNA代謝反応の変化とそれによるDSB修復経路選択への影響は不明である。本研究では、多様な染色体構造状態を同調的に再現できる出芽酵母の減数分裂期を利用し、染色体構造とdilncRNA代謝、およびDSB修復経路選択の関係性を明らかにする。

研究実績の概要

DSB修復経路の選択は、ヘテロクロマチンなど染色体の高次構造状態に影響されることが報告されている。近年、DSB部位ではmRNAの転写が抑制される一方で、切断点から両方向に Damage-induced lncRNA (dilncRNA)の転写が起こること、このdilncRNAの代謝がDSB修復経路選択に関係することが分かってきた。しかし、染色体構造の違いによるdilncRNAの代謝反応の変化とそれによるDSB修復経路選択への影響は明らかになっていない。本研究では、染色体構造のダイナミックな変化を同調的にモニタリング出来る、出芽酵母SK1株の減数分裂期を利用して、染色体構造状態ごとのDSB修復経路選択の変化とdilncRNA代謝の関係性を調べる。
研究代表者は、減数分裂期特異的なプログラムDSBが起こらないspo11-Y135F株において、外的なDSBをCRISPR/Cas9によって導入できる株を作製した。この株を用いて、Cas9によるDSB形成部位周辺のDSB修復経路因子、ヒストン凝集状態、dilncRNA代謝因子の蓄積を比較するため、本年度は(1)修復因子の検出方法の検討、(2)使用する減数分裂期停止株におけるクロマチン凝集状態の定量的な比較を行った。(1)について、HR経路因子であるRad51については、細胞学的、生化学的な検出方法が確立されているため、染色体凝集状態の異なる2種類の減数分裂進行停止株を用いて、DSB形成部位周辺のHR因子Rad51の蓄積をクロマチン免疫沈降法(ChIP法)により解析した。また、NHEJ因子であるYKu70の検出を試みたが困難であったため、YKu70にタグを付加した株の作製を行った。(2)については、減数分裂期の異なる時期の進行停止株におけるヒストンH3のChiP-seqを行うための条件検討を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

修復因子YKu70自体をターゲットとした抗体による検出が困難であること、実験に使用する株のBackgroundにおいてYKu70にタグを付加した株がなかったことから、YKu70にタグを挿入した株を新たに作製する必要があり、タグの選別やリンカーを挿入したタグのデザインを行い、細胞生物学的・生化学的に検出可能なレベルのタグ付きのYKu70の作製するのに予想以上に時間がかかり、さらに全ての実験株への掛け合わせを行ったため進行が遅れた。また、当初計画になかったヒストンH3のChIP-seqを計画に加えたことも予定より進行が遅れた理由である。

今後の研究の推進方策

作製したYKu70-3Flag株を用いて、染色体構造の違いによりDSB修復因子の結合率がどう変わるのかをChIP解析と間接蛍光抗体法によって進める。減数分裂の進行停止株において、実際の染色体凝集の程度を数値化するため、ヒストンH3のCHIP-seqを進める。また、DSB形成部位のdilncRNAの代謝を調べるために、dilncRNAの転写についてリアルタイムqPCR、メチル化修飾について抗メチル化RNA抗体を用いたRNA免疫沈降、DNA/RNAハイブリッド形成についてDNA/RNA免疫沈降を行い、定量的に解析を進める。これらの実験を行い、dilncRNAと染色体構造や修復経路との関係を調べる。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] RPA interacts with Rad52 to promote meiotic crossover and noncrossover recombination2024

    • 著者名/発表者名
      Joo Jeong H、Hong Soogil、Higashide Mika T、Choi Eui-Hwan、Yoon Seobin、Lee Min-Su、Kang Hyun Ah、Shinohara Akira、Kleckner Nancy、Kim Keun P
    • 雑誌名

      Nucleic Acids Research

      巻: 52 号: 7 ページ: 3794-3809

    • DOI

      10.1093/nar/gkae083

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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