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シアル酸転移酵素ST8Sia6の悪性形質獲得機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1063
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分43030:機能生物化学関連
研究機関名古屋大学

研究代表者

畑中 理菜  名古屋大学, 生命農学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2024-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード糖鎖 / がん / シアル酸
研究開始時の研究の概要

糖鎖は核酸、タンパク質に次ぐ生体内の三大分子の一つである。細胞表面の糖鎖構造は、正常細胞ががん化すると大きく変化し、特に顕著な変化としてシアル酸修飾の増加が知られている。シアル酸修飾の増大とがんの悪性形質の関係性を明らかにすることは新たな治療法開発に重要である。本研究ではオリゴシアル酸転移酵素ST8Sia6によるがんの悪性形質獲得機構をトランスクリプトーム、グリコーム解析およびリン酸化パスウェイ解析を通して分子レベルで解明することを目指している。

研究実績の概要

本研究ではオリゴシアル酸転移酵素ST8Sia6に着目し、ST8Sia6の酵素学的、生物学的性質を解析し、オリゴシアル酸構造を介したがんの悪性形質獲得機構の解明を行う事を目的とした。
(1)悪性形質獲得に関与するシグナル伝達経路同定:ST8Sia6を過剰発現させたB16メラノーマ細胞を用いてがん形質を解析した。酵素発現は増殖能および足場非依存性を促進したが、糖鎖末端シアル酸の切断処理およびシアル酸添加実験の結果、増殖能はオリゴシアル酸依存的であり、足場非依存性増殖能は非依存的であった。そこで酵素の基質結合部位あるいは活性部位に点変異を挿入した変異体発現細胞株を作製し、解析した。その結果、酵素の基質結合部位が糖鎖結合レクチンとして悪性化に寄与している可能性を示した。トランスクリプトーム解析とリン酸化解析から、ST8Sia6発現によるがん悪性化とMAPKシグナル伝達との関連性を明らかにした。
(2)酵素局在による悪性化への影響解析:シアル酸転移酵素はゴルジ体局在とされていたが、ST8Sia6は主に小胞体にも局在することを以前証明した。ゴルジ体局在型変異体を用いて悪性形質評価を行い、ST8Sia6の局在の違いは悪性形質に関与しないことを示した。局在性から酵素が分泌されている可能性を考え、超遠心法によりST8Sia6は細胞外でエクソソーム上および外ともに局在することを明らかにした。ST8Sia6発現細胞の培養上清はケモタキシス活性を示したが、ケモカインの分泌増加が関連している可能性を示した。
(3)酵素基質担体・相互作用分子の同定:ST8Sia6が生合成するオリゴシアル酸の担体および相互作用分子を同定するためにST8Sia6発現細胞の膜画分を超遠心法で抽出した。その膜画分に、オリゴシアル酸の認識抗体を用いて免疫沈降法とLC/MS解析を行い、基質担体および相互作用分子の候補分子を示した。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Identification of a buried β-strand as a novel disease-related motif in the human polysialyltransferases2024

    • 著者名/発表者名
      Hatanaka Rina、Hane Masaya、Hayakawa Kaito、Morishita Sayo、Ohno Shiho、Yamaguchi Yoshiki、Wu Di、Kitajima Ken、Sato Chihiro
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry

      巻: 300 号: 1 ページ: 105564-105564

    • DOI

      10.1016/j.jbc.2023.105564

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] in silicoおよび生化学的研究を用いたポリシアル酸転移酵素の新規モチーフ探索と同定2023

    • 著者名/発表者名
      畑中理菜、羽根正弥、早川開都、森下沙世、呉迪、 北島健、佐藤ちひろ
    • 学会等名
      第87回日本生化学会中部支部例会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
  • [学会発表] A new motif of polysialyltransferases predicted by in silico analysis2023

    • 著者名/発表者名
      Rina Hatanaka, Masaya Hane, Kaito Hayakawa, Sayo Morishita, Di Wu, Ken Kitajima, Chihiro Sato
    • 学会等名
      Glyco26
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] オリゴシアル酸転移酵素ST8Sia6発現がん細胞の新奇な性質の解析2023

    • 著者名/発表者名
      畑中理菜、羽根正弥、呉迪、北島健、佐藤ちひろ
    • 学会等名
      第42回日本糖質学会年会
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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