研究課題/領域番号 |
23KJ1072
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
塩澤 華奈 名古屋大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 動的運動 / 内臓血流 / 血流配分 / 性差 |
研究開始時の研究の概要 |
安静時の腹部内臓領域への血流は心拍出量の約50%を占めている.運動時には,活動筋へ酸素を供給するために腹部内臓領域や運動を行っていない筋への血流量を減少させ,活動筋へ優先的に血液を供給する “血流再配分”が行われる.腹部内臓領域の血流変化は,この血流再配分に大きな影響を与えるが,運動時の血流再配分における内臓血流への性別,月経周期,加齢などによる影響は不明である.そこで本研究では,若齢および高齢男女を対象に運動時の腹部内臓領域の血流変化に及ぼす性別,月経周期,加齢の影響を明らかにする.
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研究実績の概要 |
本研究は,運動時に行われる循環調節の一つである血流再配分の調節メカニズムを明らかにすることである.2023年度は,動的運動時の内臓血流の変化が性別および月経周期によって異なるのかどうかを明らかにすることであった. 若齢男性10名,若齢女性11名を対象に,動的な膝伸展屈曲運動を30%予備心拍数の運動強度で4分間行った.若齢女性では月経周期の影響も確認するため,卵胞期初期と黄体期中期にそれぞれ測定を行った.運動中は,腹腔動脈の血流動態を超音波診断装置を用いて測定した.また,動脈血圧は連続指血圧測定装置を用いて測定した.その結果,運動時の動脈血圧は,男女ともに上昇するが,その上昇の程度に性差および月経周期の影響は見られなかった.腹腔動脈の血流量は運動開始とともに減少し,運動中もその減少が維持されたが,その血流量の変化に性差および月経周期の影響は認められなかった.また,末梢血管収縮の指標となる血管コンダクタンスの変化も,運動開始とともに低下するが,その低下に性差および月経周期の影響は見られなかった.以上の結果から,軽強度動的運動時の腹部内臓領域の血行動態に性差および月経周期の影響はないことが示唆される.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動的運動中の腹部内臓領域の血流変化に性差の影響がみられるのかを明らかにする実験を行った.若齢者における性差の影響,また閉経前の女性においては月経周期の影響が動的運動時の腹部内臓血流の変化に影響しないことが確認できたため.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は,運動時の血流配分についての若齢者における性差の影響を確認したので,加齢の影響についても研究を行う.また,血流配分が起こるメカニズム,運動時に昇圧応答が起こるメカニズムについても,腹部内臓血流の観点から検討する.これにより,運動時の循環調節における腹部内臓血流が与える影響について明らかにすることが可能となる.
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