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C2v対称かご型六面体炭化水素クネアンの不斉合成とその反応性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1339
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分33020:有機合成化学関連
研究機関京都大学

研究代表者

竹邊 日和  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2025年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードキュバン骨格編集 / クネアン / セミブル馬連 / ホモキュバン / ホモクネアン / ビスホモキュバン / 水熱反応
研究開始時の研究の概要

六面体かご型炭化水素クネアンの不斉合成反応開発を中心に, クネアンの物性や反応性を総合的に解明する。不斉合成で得られるキラルなクネアンの絶対構造や光学特性を明らかにし, 液晶材料や医農薬分子へ組み込むことでキラル分子骨格としての有用性を検討する。また, クネアン自体の反応例が極端に少ないため, 反応パターンを総合的に知るために近年注目されているGRRMプログラムを適用し, クネアンの新規変換反応や置換基導入反応を予測・開発する。

研究実績の概要

令和5年度は,修士2年次に達成したキュバンの修飾反応による不斉環境導入に変わるカゴ型分子の不斉合成として,アキラルな二置換キュバンの非対称化を伴う骨格異性化に着目し進展させてきた。
特別研究員DC1申請書に記したようにアキラルな1,4-二置換キュバンを光学活性な2,6-二置換クネアンに触媒的に変換する手法を既に開発していたので,令和5年度は,1) 1-クネアンアミドの2位のアニオン生成による1,2-クネアン合成(Chem. Lett. 2023, 52, 358), 2) 1,4-二置換キュバンから1,3-二置換クネアンを経て,1,3-セミブルバレンに変換する方法(Chem. Lett. 2024, 53, 10.1093/chemle/upas010),3) キュバンおよびクネアンに対する環拡大反応によるビスホモキュバン及びホモクネアンへの転位触媒の開発(Chem. Eur. J. 2023, 10.1002/chem.202303063)を達成した。この3つの手法で得られたカゴ型分子は全てキラル分子である。このように,キラルカゴ型炭化水素分子骨格を合成用意な二置換キュバンの骨格異性化により網羅的に合成する手法は,新規な合成手法であり,”Cubane Scaffold Editing”と命名し,この合成戦略をまとめて報告することもできた。また,これらの一連の合成を,データベースとして記録することにも着手した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

キュバンからクネアンへの触媒的不斉異性化を実現したことがきっかけで、本研究を展開した。その後、ク
立体特異的異性化を見いだした。また、キュバンからホモキュバン、そしてビスホモキュバンへの選択的異性化も見いだした。これらは、すべて新規触・反応条件による反応の発見である。このようにカゴ型分子群の合成反応に関して大きなインパクトを与えることができた。

今後の研究の推進方策

令和6年度は,合成及びAI利用を指向するデジタル有機合成の分野で研究成果を得ることを考えている。具体的には,Cubane Scaffold Editingの新規反応の開発と,ネットワーク型データベースの完成である。Cubane Scaffold Editingの新規反応については,Cuneaneからの新規反応が見つかっているため,その反応について反応条件や基質適応範囲を詳しく検討し,論文にまとめる。データベースに関しては,その基本構造の検討と,実際にデータのアノテーションなどを行う。これに関して,データの取り扱い方や有機合成の応用分野にも適用可能かの知見を得るために,ドイツに渡航する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) 図書 (3件)

  • [国際共同研究] Queensland University(オーストラリア)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] How to Set the “Chirality” of Polyhedral Small Molecule Hydrocarbons: Decoration and Editing of Cubane Skeleton2024

    • 著者名/発表者名
      Takebe Hiyori、Matsubara Seijiro
    • 雑誌名

      European Journal of Organic Chemistry

      巻: 27 号: 6 ページ: 1-8

    • DOI

      10.1002/ejoc.202300891

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Decoration on Cubane with an Awareness of Chirality: Development of Substituted Cubane Syntheses2023

    • 著者名/発表者名
      Matsubara Seijiro、Takebe Hiyori
    • 雑誌名

      Synthesis

      巻: 56 号: 01 ページ: 16-28

    • DOI

      10.1055/a-2124-3823

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Chiral Auxiliary-Directed Site-Selective Deprotonation of the Cubane Skeleton2023

    • 著者名/発表者名
      Hiyori Takebe, Nana Yoshino, Yukako Shimada, Craig M. Williams, Seijiro Matsubara
    • 雑誌名

      Organic Letters

      巻: 25 号: 1 ページ: 27-30

    • DOI

      10.1021/acs.orglett.2c03659

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Directed Metalation of 1-Cuneanecarboxamide: Simple Route to 1,2-Disubstituted Cuneanes2023

    • 著者名/発表者名
      Takebe Hiyori、Matsubara Seijiro
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 52 号: 5 ページ: 358-360

    • DOI

      10.1246/cl.230101

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Constitutional isomerization of cubane to semibullvalene via cuneane in hot water2023

    • 著者名/発表者名
      Takebe Hiyori、Umemura Tomomi、Matsubara Seijiro
    • 雑誌名

      Chemistry Letters

      巻: 53 号: 1 ページ: 1-3

    • DOI

      10.1093/chemle/upad010

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Scaffold Editing of Cubanes into Homocubanes, Homocuneanes via Cuneanes2023

    • 著者名/発表者名
      Takebe Hiyori、Matsubara Seijiro
    • 雑誌名

      Chemistry - A European Journal

      巻: 30 号: 9 ページ: 1-4

    • DOI

      10.1002/chem.202303063

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Cuneaneの分子編集2023

    • 著者名/発表者名
      竹邊日和,松原誠二郎
    • 学会等名
      第13回CSJ科学フェスタ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Cuneaneの分子編集2023

    • 著者名/発表者名
      竹邊日和,松原誠二郎
    • 学会等名
      第123回有機合成シンポジウム
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Scaffold-Editing of Cuneanes2023

    • 著者名/発表者名
      Hiyori takebe, Seijiro matsubara
    • 学会等名
      International Joint Symposium 2023 on Synthetic Organic Chemistry-ISDigiTOS-2
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 有機合成のデジタル化(マテリアル・機械学習・ロボット、現代化学増刊48)2024

    • 著者名/発表者名
      竹邊日和,松原誠二郎
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      東京化学同人
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] AIによる逆合成解析の経路探索の手法と活用(ケモインフォマティクスにおけるデータ収集の最適化と解析手法)2023

    • 著者名/発表者名
      竹邊日和,松原誠二郎
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      技術情報協会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 有機分子設計のための逆合成自動化の手法(マテリアルズインフォマティクス・量子コンピュータおよび自然言語処理と自律型実験システムを活用した次世代材料開発)2023

    • 著者名/発表者名
      竹邊日和,松原誠二郎
    • 総ページ数
      5
    • 出版者
      株式会社Andtech
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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