研究課題/領域番号 |
23KJ1346
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中川 雅就 京都大学, 薬学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2025年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 合成反応 / ラジカル / 光酸化還元触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
可視光駆動型協働触媒システムを立体制御し、キラルなカルボカチオン等価体を生成することで、様々なヘテロ原子求核剤を不斉アルキル化することができる汎用性の高い合成技術を確立する。具体的には、研究者が開発した可視光駆動型協働触媒による脂肪族アルケンのヒドロアルコキシ化反応の不斉化を試みる。コバルト配位子及び対アニオンの不斉化を行うことで光学活性なアルキルコバルト(IV)種の触媒的創出を目指す。また、可視光駆動型協働触媒系をヘテロ原子求核剤とアルキル求電子剤のクロスカップリング反応に展開し、不斉化を目指す。
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研究実績の概要 |
アゼチジンは歪んだ構造に起因して独特な極性や剛直性を示すため、創薬科学の分野で注目を集めてきた。今回我々は、光酸化還元触媒/コバルト触媒/ブレンステッド酸触媒の協働触媒系とビニルスルホニル配向基を活用することで、アルキルアミンからアゼチジンを合成する手法を開発した。本手法は、次の3つの過程を経て窒素γ位炭素-水素結合をカルボカチオン等価体に変換する。1)系中で発生したコバルトヒドリド種が、窒素上に導入されたスルホニル基のアルケンに対して金属ヒドリド水素原子移動(MHAT)を引き起こす、2)生成した炭素ラジカルが窒素γ位炭素-水素結合に対して分子内1,6-HATを引き起こす、3)光酸化還元触媒により、窒素γ位に発生した炭素ラジカル種はカルボカチオン等価体に一電子酸化される。この過程により生成したカルボカチオン等価体とスルホンアミド部位が分子内求核置換反応を起こすことでアゼチジンが得られる。生成物に含まれるスルホニル配向基は、容易に取り外すことができるため、入手容易なアルキルアミンから複雑かつ高度に官能基化されたアゼチジンを一挙に合成することができた。また、本反応系において、外部求核剤をカルボカチオン等価体と反応させることが可能であった。この手法により、アミンγ位の官能基化が可能になり、アミン求核剤を反応させることで、1,3-ジアミンが、アルコール求核剤を反応させることで1,3-アミノアルコールを合成することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在まで、光酸化還元触媒/コバルト触媒/ブレンステッド酸触媒を協働的に組み合わせたシステムを活用することにより、アゼチジンを合成する手法を開発した。本研究は学会発表と論文投稿(査読中)を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、光酸化還元触媒/コバルト触媒/ブレンステッド酸触媒の反応系で生成するカルボカチオン等価体の不斉化に取り組む。その中で、昨年度に開発したアゼチジン合成反応の不斉化にも挑戦する。
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