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計算可能性に関する諸構造についての圏論的な一般理論の構築

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1365
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分60010:情報学基礎論関連
研究機関京都大学

研究代表者

星野 恵佑  京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2025年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2024年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード二重圏 (double category) / relations / higher category
研究開始時の研究の概要

計算可能性を調べるためのモデルとしては、ラムダ計算、再帰関数、チューリングマシンなどが知られているが、これらはそれぞれ Partial Combinatory Algebra として圏のような構造を持つ。それぞれの定義する計算可能性はある意味で同値であるが、この同値性は2圏論的な同値性として理解できる。しかし、ここで用いられている同値性は、関手のような代数的な射ではないことが知られている。
本研究では、この非関手的な同値性を計算可能性を捉える構造として抽象化し、古典的な計算可能性とそれに類似する諸構造(計算複雑性、線形な計算可能性など)を総合的に取り扱うことで、これらの関係を観察する。

研究実績の概要

PCAや他のcombinatory algebra、さらにはCartesian restriction categoryなどの代数的構造に対して、そのrealizabilityや情報の概念を捉えるための(2)圏は、その代数的構造のみからは定まらず、そこから2圏への射、とくにrelationの成す2圏への射を考えることで初めて考えることができる、ということが多い。そのため、relationの成す2圏の構造を解き明かすことは、この研究計画にとって本質的な役割を果たすほか、この2圏は情報や論理の種々の理論に深く関わるため、幅広い分野にとっての貢献をもたらしうる。本年度書かれたDouble category of relations relative to factorisation systems (共著、arxivに公開済み、AustMSで発表) とそれに関係する諸研究(AusCatでの発表)はこの2圏をむしろdouble categoryとして捉え、relation等の成す構造を明らかにするものである。

一方、情報を理解するための構造は代数的構造と異なり、単なる関手ではない非代数的な射を考えるものとなることが観察される。これらの構造を捉えるためのフレームワークを追求すると、高次元の構造が現れることが観察できる。これをHigher Categoryの言葉で捉え直すことは本研究にとって本質的である。この点は私のweak omega categoryに関する研究(Weakly invertible cells in a weak ω-category, 共著, Higher Structuresにaccept済み)と深い関係にある。本論文ではとくに、代数的にhigher categoryを捉えるための基礎となる定理を証明した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の進行に伴い、基礎の部分の重要性が研究計画時より明らかになってきており、それに伴ってより基礎的な部分の洗練がなされたが、当初の目的や研究方針とは異なった進捗状況となっている。
一方、基礎的な部分の洗練によって当初より広い範囲の分野に対する貢献をより期待できる状況になってきており、特にrelationについての研究は、計算可能性のみならず論理学などの近隣の分野への応用が期待される。このことは、計算可能性や計算の概念を他の諸分野との関連の只中で捉える、という当初の研究目的に適うものである。

今後の研究の推進方策

本研究は計算可能性をrelationのなす圏論的構造の言葉で捉えることを中心的な戦略としている。そのため、relationのなす圏論的構造、特にdouble categoryの理解を深めることは本研究にとって本質的である。のみならず、今年の研究成果から、この作業が他の諸分野へも多くの応用を持ちうる道具を提供しうると考えるに至ったため、この方針での研究をより深めたいと考えている。
一方で、本研究の遂行のためには、その圏論的構造を用いassemblyなどの既存の計算可能性、realizabilityにまつわる諸概念がどのように復元されるかという点にアプローチする必要がある。この点については、研究計画当初のアイデアを、今年度構築した理論の上で整備することで、具体化して行くことを計画している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] Macquarie University(オーストラリア)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Weakly invertible cells in a weak ω-category2024

    • 著者名/発表者名
      Soichiro Fujii, Keisuke Hoshino, Yuki Maehara
    • 雑誌名

      Higher Structures

      巻: 8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Double categories of relations relative to factorisation systems2023

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Hoshino
    • 学会等名
      AustMS 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Factorisation systems and equipments2023

    • 著者名/発表者名
      Keisuke Hoshino
    • 学会等名
      Australian Category Seminar
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Keisuke Hoshino's articles on arXiv

    • URL

      https://arxiv.org/a/hoshino_k_1.html

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [備考] Keisuke Hoshino's homepage

    • URL

      https://sites.google.com/view/keisuke-hoshino/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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