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流民の戦後文学・思想史--森崎和江を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1413
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分02010:日本文学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

大畑 凜  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード流民 / 森崎和江 / 戦後文学・思想 / 闘争の交差性
研究開始時の研究の概要

本研究は、詩人・思想家の森崎和江による1950年代後半-70年代のテクストを、近代以降の東アジアにおいて故郷を離れて各地を転々とした様々な「流民」たち――在日朝鮮人、沖縄(人)、引揚者――による同時代の文学・思想と比較分析するものである。近現代の東アジアを取り巻く資本主義と植民地主義、およびジェンダー/セクシュアリティ的抑圧との絡み合いに焦点を当てながら、異質な民衆間の「連帯」において森崎の文学・思想が持ちうる可能性を導く。

研究実績の概要

本研究は、詩人・思想家の森崎和江の1960年代から70年代における鍵概念である「流民」を、森崎が流民として捉えた引揚者・在日朝鮮人・沖縄(人)による同時代の文学・思想と比較検討することで、森崎思想の近現代東アジアにおける可能性と限界をともに測るものである。
今年度は、本研究の根幹に位置する森崎の流民に関する一連の議論をまとめるにあたり、単著として『闘争のインターセクショナリティ――森崎和江と戦後思想史』(青土社)の執筆作業を行った(2024年4月に刊行)。同書では、アンジェラ・デイヴィスの「闘争の交差性struggles of intersectionality」概念を援用することで、森崎が用いる概念としての「流民」に込められた交差性やインターナショナリズム、地理論的可能性を読み解いた。
関連して、6月には日本近代文学会国際研究集会にて、佐久本佳奈氏・君島朋幸氏とともに共同パネル「地図という試練――戦後日本文学という地理空間のかなたで」を組み、炭鉱離職者による南米移民史を記録した記録作家・上野英信の『出ニッポン記』について個人報告を発表し、フロアとも有益な議論を交わした。
12月には北九州市立文学館を訪問し、同館に所蔵されている森崎和江資料の閲覧・調査を行った。今回の調査では、資料全体の概要を把握しつつ、聞き書きや朝鮮関係などの資料を中心に閲覧・撮影を行った。また、引揚文学・思想、在日朝鮮人文学・思想、沖縄文学・思想に関する各種調査については、近隣の各種図書館や国会図書館を使っての文献収集、資料集の購入などを行い、次年度以降の具体的な分析作業への用意に取り組んだ。
なお1月には、今後の研究プロジェクトの拡張を念頭に、カナダ・トロント大学を訪れ、同大学Robarts Library所蔵の日本人移民関連資料を閲覧することで移民研究との接続の可能性を検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

資料調査など含め概ね予定通りに進捗していると考えられるが、今年度の研究業績として最も重要であった単著の執筆以外の成果、とりわけ引揚文学・思想、在日朝鮮人文学・思想、沖縄文学・思想についての具体的な成果を出すことができなかったため、これらについての学会報告や論文執筆については来年度に期したい。

今後の研究の推進方策

引き続き各分野の資料収集を行いつつ、韓国や沖縄などへの現地調査も予定しており、そのうえで個別に分析を深めて学会報告や査読論文としてまとめていく。また、研究全体に関する中間報告を兼ねて、国際学会での報告も予定している。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 死と階級の時代にーー佐藤泉『死政治の精神史ーー「聞き書き」と抵抗の文学』2024

    • 著者名/発表者名
      大畑凜
    • 雑誌名

      越境広場

      巻: 13 ページ: 178-180

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] <紹介> 渡邊英理著『中上健次論』2023

    • 著者名/発表者名
      大畑凜
    • 雑誌名

      語文

      巻: 120 ページ: 44-45

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 連鎖する出会いの地図ーー上野英信『出ニッポン記』における地理空間2023

    • 著者名/発表者名
      大畑凜
    • 学会等名
      日本近代文学会春季大会国際研究集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 闘争のインターセクショナリティーー森崎和江と戦後思想史2024

    • 著者名/発表者名
      大畑凜
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      青土社
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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