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宋元王朝交替期における「遺民」の文学―文天祥を基軸として―

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1424
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分02020:中国文学関連
研究機関大阪大学

研究代表者

村田 真由  大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2024-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2023年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2024年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2023年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード文天祥 / 宋代文学
研究開始時の研究の概要

宋元王朝交替期にあっては、宋王朝に対する忠節を持して新たな王朝に仕えず、「遺民(=身を寄せるべき王朝を失い、あとに残された民)」として生きることを選択した人々が多数存在した。南宋末の文天祥(1236-1283)は、その代表的存在である。
先行研究においては、遺民は愛国詩人としてステレオタイプ化されてきた。だが実際には、王朝滅亡の現実に直面した彼らは、死への恐怖や、家族との別れに対する悲しみ、親孝行を全うできないことへの罪悪感など、一個の人間としての様々な心の揺れや葛藤を詩に表現している。本研究はこのような側面に焦点を当てながら、南宋末における愛国の形成過程を明らかにする。

研究実績の概要

【1】「世界の終わり―文天祥「山河破砕」句をめぐって―」(『待兼山論叢』(57)、p.43-59、2024年3月)
2023年1月に『日本中国学会報』に投稿した論文の査読意見をもとに、論文の改訂を行なった。要旨は次のとおりである。
文天祥「過零丁洋」に「山河破碎風抛絮(山河破碎して風は絮を抛つ)」とある。これは祥興二年(一二七九)正月、南宋の滅亡を目前にして、戦乱によって国土が破壊し尽くされた様子を表現したものである。文天祥は南宋滅亡前後の詩において、このようないわば世界の終わりを繰り返し表現している。従来、山河や天地は人間の手による戦乱の影響を受けずに、安定してそこにあるものとみなされていたはずである。杜甫「春望」にも「国破れて山河あり」とあって、山河の不変性がうたわれている。では、文天祥の表現は、どのように形成され、何を意味しているのだろうか。本稿では、世界の終わりをうたった文学について、唐の杜甫や、北宋末から南宋初期の動乱期を生きた陳与義、陸游の文学を取り上げながら、文天祥の表現がいかなる特徴を有しているのかを明らかにした。
【2】(翻訳)「文天祥詩選」(『翻訳文学紀行5』、ことばのたび社、2023年10月)
文天祥詩のうち、南宋滅亡後に囚われの身となった頃の詩を取り上げ、現代日本語訳と解説を執筆した。取り上げた詩は以下の十九篇(文天祥「六歌」其一、三、四、六/「己卯十月一日至燕越五日……有感而賦十七首」其一、二、三、四、五、六、八、九、十、十六/「元夕二首」其一/「覧鏡見鬚髯消落爲之流涕」/「自嘆三首」其一、二/「有感」)である。また、『翻訳文学紀行』の刊行記念イベント(2024年1月28日、滴塾石橋コモンズ)においては、文天祥が杜甫の詩を集めて作った『集杜詩』に倣い、当日の参加者約15名と「集句」のワークショップを行なった。

報告書

(1件)
  • 2023 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 世界の終わり : 文天祥「山河破碎」句をめぐって2023

    • 著者名/発表者名
      村田真由
    • 雑誌名

      『待兼山論叢』

      巻: 57 ページ: 43-59

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • オープンアクセス
  • [図書] 『翻訳文学紀行5』2023

    • 著者名/発表者名
      村田真由(共著)
    • 総ページ数
      227
    • 出版者
      ことばのたび社
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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