研究課題/領域番号 |
23KJ1445
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
XIAO RUNZE 大阪大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2024年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 群ロボットがナビゲーション / Weak Constraint Swarm / 陰的制御 / 未知環境 |
研究開始時の研究の概要 |
災害対応や近地小惑星探査,未踏の野外環境調査などの課題において,高い適応力を持ちつつシステムがシンプルな群ロボットのナビゲーションシステムが期待されている.本研究では,未知環境での群ロボットナビゲーション問題に対して,環境とロボットの力学的相互作用を巧みに活用することで環境に適応する制御法「Control Without Overdoing」(CWO),およびロボット同士を柔軟な材料や多自由度受動関節などの「弱い」拘束で接続する新たな群ロボットシステム(Weak Constraint Swarm:WCS)の設計法を確立し,理想的な群ロボットのナビゲーションシステムを提案することを目指している.
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研究実績の概要 |
本研究は、未知の環境下で群ロボットがナビゲーションする際の問題に対処するため、「Control Without Overdoing」(CWO)制御法という、環境とロボット間の相互作用を巧みに活用して適応する方法、及びロボット同士を柔軟な材料や多自由度の受動関節で「緩く」結合する新しい群ロボットシステム「Weak Constraint Swarm」(WCS)の設計手法を確立し、理想的な群ロボットナビゲーションシステムの構築を目指している。
本年度の研究で、CWOの概念を基に、未知の平面環境に適応可能なムカデ型群体ナビゲーションロボットシステムを開発し、そのシステムに関する論文を作成した。このシステムは、有益的な環境との相互作用をさらに探求し拡大することで、CWO制御法の確立に向けた基盤を築いた。その後、この経験を踏まえ、モデル設計に基づくCWO制御案を提案し、シミュレーションと実験環境でその効果を検証した。さらに進んで、WCSの設計手法を進めるため、剛性を調整可能なマッキベン型空気圧アクチュエータ(MPA)を関節部に採用し、多数の二輪車両ロボットが「緩く」連結されるムカデ型のWCSロボットシステムを提案した。そして、初期のシミュレーション環境での検証を行い、この検証を基に、第一世代及び第二世代のロボットプロトタイプを製造し、さらにナビゲーション試験の実施も行った。これらの成果は、それぞれ異なる3つの学会で発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体として、私は令和五年度の研究計画を概ね達成したと考えている。 まず、元々令和五年度に完成予定だった強化学習に基づくCWO制御法の習得は未完了であるが、学習に基づかないモデル設計に基づく別のCWO制御案を見出し、シミュレーションと実験環境でその効果を検証した。次に、強化学習に基づくCWO制御法を進行させ、両者の長短を比較する予定である。 次に、市販されているm3piロボットは自身の姿勢やモーター電流の消費を検出するセンサーシステムを持たないため、その代わりに自ら設計開発した二輪ロボットシステムを用いて、第一世代および第二世代のWCSロボットシステムを製作し、ナビゲーション試験に成功した。 最後に、元々令和六年度に開発予定だったマッキベン型空気圧アクチュエータ(MPA)を使用した剛性可制御の弱拘束関節の開発を前倒しで完成し、WCSシステムで初期の効果を実現した。次の段階では、その剛性制御の可能性をさらに拡大し、WCSシステムの設計を最適化する予定である。 これらの点から、私は令和五年度の研究計画を概ね達成したと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
まず、シミュレーション環境で強化学習に基づくCWO制御法の習得を完成させ、その方法と既に提案されたモデル設計に基づく方法の長短をシミュレーション環境と試験機において比較する。
次に、既存のロボット試作機を基に、剛性制御の可能性をさらに拡大し、WCSシステムの設計を最適化する予定である。さらに、さまざまな環境でのロボットナビゲーション試験を実施し、その性能をテストするとともに、設計案を継続的に改善していく。
最後に、数理モデルと実機検証の両面から提案するシステムの妥当性を検証し、CWOの設計法についてまとめ、関連成果を学術誌に投稿する。
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