研究課題/領域番号 |
23KJ1549
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分08020:社会福祉学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木田 英里 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2024年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2023年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 家族レジリエンス / 発達障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、発達障害児をもつ家族の家族レジリエンスを促進する支援方法の開発を目的とする。研究内容としては、まず発達障害児・者をもつ家族の家族レジリエンスを測定する尺度(アンケート項目)の作成を行う。次に、作成した項目を用いてアンケート調査を実施し、発達障害児をもつ父母ペアを対象に、家族レジリエンスが親のストレスや子どもの適応に与える影響を検証する。また、インタビュー調査で発達障害児・者をもつ家族の家族レジリエンスが促進されるメカニズムの解明を行ったうえで、発達障害児をもつ家族の家族レジリエンスを促進する支援方法の開発を行う。
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研究実績の概要 |
本研究は,発達障害児をもつ家族の家族レジリエンスを促進する要因及び促進メカニズムを解明し,発達障害児をもつ家族を対象とした家族レジリエンスを促進する支援を体系化することを目的としていた。令和5年度は,4月から11月にかけて発達障害児をもつ家族を対象とした『家族の強みを活かす家族レジリエンス促進プログラム』の作成と効果検証を行い,プログラムを開発した。まず,プログラムの作成を行い,発達障害児をもつ親8名を対象として,オンラインでグループ形式によりプログラムを実施した。プログラム参加前後と1ヶ月後,3ヶ月後にアンケート調査への回答を得た。前後比較デザインにより,家族レジリエンス,親や子どもの心理社会的適応に変化がみられるかを検討したところ,家族レジリエンスの得点の上昇や,夫とのコミュニケーションの試み,子どもへの考え方の変化といった家族の変化が報告され,本プログラムの家族レジリエンスを促進する効果が示唆された。次に,ウェイティングリストコントロールデザインにより統制群を設定し,同様の方法でプログラムの効果検証を行った。その結果,プログラムに参加した群において家族レジリエンスが促進され,本プログラムの有効性を示唆する結果が得られた。以上の結果から,本プログラムの家族レジリエンスを促進する効果が示されたことは,今後のよりよい家族支援に寄与するという点で臨床的意義があるものである。一方で,プログラム終了後に効果の維持されにくさがみられた。この点を踏まえて,令和6年度はフォローアップセッションを含めたプログラムの実施と効果検証の実施を検討している。また,発達障害児・者をもつ家族の家族レジリエンス尺度を用いた父母ペアを対象とするアンケート調査は実施準備が遅れ,令和5年度は実施できなかったため,次年度に実施を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度中にプログラムの開発に至ることができた点では順調に進んでいると言えるが,家族レジリエンスが促進されるメカニズムの解明の一研究として予定していた父母ペアを対象としたアンケート調査が実施できなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は,『家族の強みを活かす家族レジリエンス促進プログラム』のフォローアップセッションを設定し,家族レジリエンスを促進する効果が維持されるかどうかを検討する。また,令和5年度に実施したプログラムのフィードバック等を踏まえ,内容を再検討して修正することや,父母ペアでのプログラムの実施を行い,効果検証を行うことも予定している。それに加えて,令和5年度に実施できなかった父母ペアを対象とした調査も実施する予定である。
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