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過失責任主義の基礎づけと内実の解明

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1551
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分05060:民事法学関連
研究機関神戸大学

研究代表者

中山 知子  神戸大学, 法学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2024年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
2023年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード民法 / 民事責任 / 不法行為 / 過失責任 / 法人の不法行為 / 企業責任 / 組織過失 / ドイツ法
研究開始時の研究の概要

本研究は、日本の不法行為法における原則的な帰責原理でありながら、従来の法理論が明確な規律を提示しえていない「過失責任主義」の基礎づけと内実の解明を行なうものである。従来、過失責任主義は、行動の自由の保障を基礎とし、①過失があれば責任を負う、②過失がなければ責任を負わない、という2つの命題を含意するといわれてきた。もっとも、その基礎づけには曖昧さがあり、特に命題①②がいずれも行動の自由の保障により基礎づけられるという点には疑義がある。そこで、本研究では、日本法と関係の深い外国法(特にドイツ法)との比較法的分析を行い、具体的な帰責類型を素材として、過失責任主義に関する規律の明確化を試みる。

研究実績の概要

過失責任主義に関する理論は、主に、自然人の行為や個人の故意又は過失を想定して展開されてきた。ところが、現代では、科学技術の進展や企業活動の発展等を背景に、複数の者が関わる複雑な事故が生じており、その責任をただ個人に帰することの当否が問われている。
そこで、今年度は、本研究を実施するための具体的な検討対象として、過失責任の枠組みの下で法人等の組織が責任主体となる場合に照準を合わせた上で、日本法やドイツ法に関する研究資料の収集及び分析を実施した。
第一に、日本法については、(1)本研究と関連する論文の収集及び分析を進めた。重要な論文の特定を済ませ、議論における各論文の位置づけも把握した。さらに、(2)本研究と関連する裁判例を収集した。そのうち二件の評釈を執筆し、受入研究者が担当する授業で報告した。
第二に、日本法との比較対象であるドイツ法については、(1)前年度より引き続き、ドイツ債務法の教科書を読解した。それにより習得したドイツ民事責任法の基礎知識は、受入研究者が主催し、他の指導学生も参加する報告会で解説した。次に、(2)本研究と関連する論文を収集した。そのうち、企業責任論や組織過失論に関する最新の研究書やコンメンタール等の分析を進め、ドイツの議論状況を把握するよう努めた。(3)次年度に予定しているドイツでの文献収集に備えて、国内での入手が困難な文献の特定も進めた。
今年度の資料収集及び分析では、日本における研究の間隙を発見しただけでなく、近年のドイツにおける議論の進展を確認し、今後の研究について見通しを立てることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度に予定していた作業は、日本法やドイツ法に関する研究資料の収集及び分析であった。日本法関連の資料については、予定通り、収集及び分析を進めることができた。他方で、ドイツ法関連の資料については、研究のスケジュールを考慮し、ドイツ出張の実施時期を今年度から次年度に変更したが、日本国内で入手可能な資料の収集及び分析は進めることができた。したがって、本研究は、全体として、おおむね順調に進展していると評価できる。

今後の研究の推進方策

今後も、組織が責任主体となる場合に照準を合わせた上で、ドイツの企業責任論や組織過失論に関する分析を継続し、過失責任主義に関する規律の明確化を試みる予定である。
国内で入手が困難な資料については、海外出張により収集する計画を立てている。当初の計画とは異なり、今年度は出張を実施しなかったが、その対応策として、次年度にドイツ出張を実施する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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