研究課題/領域番号 |
23KJ1570
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分21030:計測工学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松田 汐利 神戸大学, システム情報学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2025年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2024年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2023年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 蛍光イメージング / 散乱イメージング / 3次元イメージング / 強度輸送方程式 |
研究開始時の研究の概要 |
モデル動物であるマウス脳深部の生命機能を解明するために可視化技術と照明技術の開発に取り組む.蛍光を介したカルシウムイオンイメージングにおいて,現状では散乱や吸収により,脳表面から0.3 mm程度の深さに観察が制限されている.生体深部での神経細胞活動を蛍光を介して非破壊かつ低侵襲に高分解能かつリアルタイムにイメージングし,さらに,神経細胞活動を光エネルギーで操作する新しい光照明技術を確立する必要がある.本研究では,生体深部に光エネルギーを届ける「生体深部照明技術」と「生体深部イメージング技術」の2つの技術を開発する.
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研究実績の概要 |
本年度は,強度輸送方程式に基づく,モデル動物であるマウス脳深部の生命機能を解明に向けて,散乱媒質下における可視化技術の開発を検討した.はじめに,散乱媒質下において強度輸送方程式による位相情報を求めるために,中心波長470 nmのLEDを光源として用いて,サンプルの位相分布を計測した.サンプルには,EGFP-β-tubulinで標識されたタバコ培養細胞を使用し.拡散角1度の拡散板越しに観察した.次に,計測した位相分布および画像から複素振幅分布を算出し,任意の面まで伝搬計算することで,拡散板越しのタバコ培養細胞の3次元観察に成功した.最後に,反復位相回復法を用いることで散乱の影響を取り除くことに成功した.特に,拡散板越しのタバコ培養細胞に対して,提案手法を用いて経時的に記録することで,60分間のタイムラプス計測を実施し,散乱の影響が小さい細胞分裂の記録を実現した.また,反復位相回復法の代わりにフレネルピンポンアルゴリズム法を適用する3次元蛍光散乱イメージングについて検討中である.さらに,生体への光毒性を小さくすることを目的に,フォトンカウンティグ検出を導入し,微弱光下における3次元蛍光イメージングについて検討中である.今後,これらの手法を組み合わせて,微弱光下における3次元蛍光散乱イメージングの実現を目指す.さらに,今後の研究課題として,測定した位相分布を用いて照明技術の開発する必要があるため,レーザー光源を用いた照明系を併設した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,可視化技術および照明技術を組み合わせることにより,強度輸送方程式に基づく3次元蛍光散乱イメージング技術の確立を目指している.本年度は,可視化技術の開発に取り組み,その結果,拡散板越しのタバコ培養細胞に対するタイムラプス計測に成功している.さらに,照明技術の開発に向けて照明系を設計した.以上の結果から,研究の進捗状況はおおむね順調としている.
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今後の研究の推進方策 |
可視化技術について,フォトンカウンティグ検出を導入し,今年度開発した3方程式を用いた位相計測を実施する.計測結果から空間光変調素子に表示する位相分布を決定し,任意の照明パターンを表示する.実験結果をもとに光学系及び照明方法を改良する.
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