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塩・アルカリストレス下におけるイネの生育制限要因と耐性遺伝子の同定

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1637
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分39020:作物生産科学関連
研究機関広島大学

研究代表者

南平 眞実  広島大学, 統合生命科学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2024年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2023年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード塩・アルカリ耐性機構 / カリウム獲得機構 / OsHAK17 / イネ
研究開始時の研究の概要

乾燥地で拡大する塩害は,イネの生産性を著しく低下させる環境要因である.中でもNaHCO3等のアルカリ性塩由来の塩害は,イネに塩ストレスとアルカリストレスの影響を同時に与えるため,栽培を極めて困難にする.本研究では,独自に選抜した塩・アルカリ耐性品種及び感受性品種を,分子生理学的手法と分子遺伝学的手法を用いて比較解析し,イネの塩・アルカリストレス下の生育制限要因と耐性関連遺伝子を同定する.

研究実績の概要

これまでの研究から,塩・アルカリ耐性イネ品種Shwe Nang Gyi(SNG)は塩・アルカリ感受性イネ品種コシヒカリ(KSH)よりもカリウム含有量が高いことや,SNGを対象とした網羅的発現解析によりカリウム輸送体遺伝子群(HAK/KUP/KT family)が塩・アルカリストレス下で発現増加することが分かっていた.加えて,OsHAK17はKSHよりもSNGで発現量が高かったことから,OsHAK17の塩・アルカリ耐性機構への寄与が示唆されていた.そこで本年度は,塩・アルカリストレス下におけるOsHAK17の機能を酵母相補性試験により明らかにし,OsHAK17の塩・アルカリストレス耐性への寄与を評価した.SNGから単離したOsHAK17をpDR195プラスミドのPMA1プロモーター下流に導入し,これをNa感受性酵母AB11c株に組み込むことで,酵母形質転換体を作製した.酵母相補性試験の結果,塩処理区(100-200 mM Na)と塩・アルカリ処理区(100, 150 mM Na + pH 7.0-8.0)の両方で,OsHAK17発現株は対照株よりも生育が良好であった.一方で,低濃度の塩処理区(50 mM Na)では両酵母株間の生育に差は見られなかった.また,酵母の元素濃度を測定したところ,塩処理区においてOsHAK17発現株で対照株よりもカリウム濃度が高いことが示された.また,組織特異的局在や細胞内内局在の解析のための形質転換体の作製も進めている.今後は,OsHAK17バリアントにおける機能差にも注目して研究を進めていく予定である.
あわせて,炭酸水素イオンがイネに及ぼす影響について解析するために,陽イオンの影響が少ないが,炭酸水素イオンの影響が現れるような処理条件の検討を進めている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

塩・アルカリ耐性イネ品種における塩・アルカリ耐性機構の一部に,OsHAK17を介したカリウム獲得機構があることが酵母レベルで明らかになったため.また,炭酸水素イオンがイネに及ぼす影響についても解析ができるように,準備を進められているため.

今後の研究の推進方策

塩・アルカリストレス下におけるOsHAK17の機能解析のために,各種形質転換体を作製する. また,炭酸水素イオンがイネに及ぼす影響について解析するために,分子生理学的解析や網羅的遺伝子発現解析を実施し,生育抑制の原因や耐性関連遺伝子を探る.

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2024 2023 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [国際共同研究] カセサート大学(タイ)

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] Potassium transporter OsHAK17 may contribute to saline-alkaline tolerant mechanisms in rice (Oryza sativa)2024

    • 著者名/発表者名
      Nampei Mami、Ogi Hiromu、Sreewongchai Tanee、Nishida Sho、Ueda Akihiro
    • 雑誌名

      Journal of Plant Research

      巻: 137 号: 3 ページ: 505-520

    • DOI

      10.1007/s10265-024-01529-0

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] 塩・アルカリ耐性イネ品種の必須元素蓄積特性2023

    • 著者名/発表者名
      南平眞実, 黄木敬,西田翔,上田晃弘
    • 学会等名
      日本土壌肥料学会2023年度愛媛大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Identification of growth limiting factors and tolerant genes in rice under saline-alkaline stress2023

    • 著者名/発表者名
      Mami Nampei, Hiromu Ogi, Sho Nishida, Akihiro Ueda
    • 学会等名
      Taiwan-Japan Plant Biology 2023
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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