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LDL受容体ファミリー蛋白に着目したエンドソーム機能異常による新規疾患の病態理解

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ1817
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分48040:医化学関連
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

加藤 耕治  名古屋市立大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2025年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード3C症候群 / エンドソームリサイクル / LRP受容体
研究開始時の研究の概要

本研究では、我々が新規の先天異常症候群の原因としたVPS35Lを中心として、エンドソームのリサイクル機能が個体発生において果たす役割と、その機能不全による症候群の分子病態を細胞、マウスを用いて明らかにする。エンドソームのリサイクル経路に関与する遺伝子ではVPS35L、CCDC22、WASHC5が類似の症候群の原因となることが明らかになっているが、その分子病態は明らかになっていない。本研究により分子病態を明らかにすることで、最適な患者の管理指針を示すとともに、今後の治療法開発の礎とする。

研究実績の概要

3C症候群の合併症の一つに脂質異常症があるが、その分子病態としてLRP1、LDL受容体の発現低下が報告されている。2つの膜蛋白はSNX17/レトリーバー/CCC/WASH依存性リサイクル機構により制御されており、3C症候群ではSNX17/レトリーバー/CCC/WASH複合体機能不全によりLRP1とLDL受容体の発現変化が生じていることが報告されている。そこで、その他のLRPファミリー蛋白も3C症候群の病態に関与しているのではないかと考え、それらの蛋白の構造や疾患との関連を検討した。LRP2、LRP4、LRP8/VLDLRはNPxYモチーフを有し、SNX17依存性のリサイクル経路に制御されている可能性が示唆された。また、それぞれの膜蛋白の機能障害は尿蛋白、筋骨格系異常、中枢神経系異常との関連が報告されており、3C症候群で観察される表現型と一致していたため、これらのLDL受容体ファミリー蛋白と3C症候群との関連を検討した。
LRP2、LRP4、LRP8、VLDLRとSNX17との結合を免疫沈降を用いて検討したところ、野生型の各蛋白が明確にSNX17との結合を示した一方、それらのNPxYモチーフをNPxAに置換したところSNX17との結合が全て消失した。従って、これらのLDL受容体ファミリー蛋白はそのNPxYモチーフによりSNX17により制御されていることが明らかになった。
次に、3C症候群の原因遺伝子であるVPS35L、CCDC22、WASHC5とSNX17それぞれの遺伝子欠損細胞を用いてLRP蛋白の発現変化を検討した。結果、遺伝子欠損細胞は全てLRP2、LRP4の発現低下を示した。また、初代神経培養細胞においてSNX17とVPS35Lの発現抑制をしたところ、LPR8とVLDLRの発現量が低下した。これらはLDL受容体ファミリー蛋白と3C症候群の分子病態との関与を示唆する。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

モデル細胞の作出と、それを用いたLRP受容体蛋白ファミリーの表現型解析を行うことが出来ており、順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

3C症候群のモデル細胞におけるLRPファミリー蛋白の発現変化と、それらがNPxYモチーフによりSNX17依存性リサイクル経路に制御されているということを明らかにすることが出来たので、今後はその発現変化が病態に関与しているということを細胞、マウスモデルを用いて明らかにしていきたいと考えている。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件)

  • [雑誌論文] Gain-of-function MYCN causes a megalencephaly-polydactyly syndrome manifesting mirror phenotypes of Feingold syndrome2023

    • 著者名/発表者名
      Nishio Yosuke、Kato Kohji、Tran Mau-Them Frederic、Futagawa Hiroshi、Quelin Chloe、Masuda Saori、Vitobello Antonio、Otsuji Shiomi、Shawki Hossam H.、Oishi Hisashi、Thauvin-Robinet Christel、Takenouchi Toshiki、Kosaki Kenjiro、Takahashi Yoshiyuki、Saitoh Shinji
    • 雑誌名

      Human Genetics and Genomics Advances

      巻: 4 号: 4 ページ: 100238-100238

    • DOI

      10.1016/j.xhgg.2023.100238

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Structure of the endosomal Commander complex linked to Ritscher-Schinzel syndrome2023

    • 著者名/発表者名
      Healy Michael D.、McNally Kerrie E.、Butkovi Rebeka、Chilton Molly、Kato Kohji、Derivery Emmanuel、Collins Brett M.、Cullen Peter J, et al.
    • 雑誌名

      Cell

      巻: 186 号: 10 ページ: 2219-2237

    • DOI

      10.1016/j.cell.2023.04.003

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Generalized Verrucosis on a Background of 3C Syndrome Treated With Subcutaneous IgG Supplementation2023

    • 著者名/発表者名
      Fukaura Ryo、Terashima-Murase Chiaki、Tanahashi Kana、Sato Yoshitaka、Kawase Masaaki、Kato Kohji、Akiyama Masashi
    • 雑誌名

      JAMA Dermatology

      巻: 159 号: 12 ページ: 1397-1397

    • DOI

      10.1001/jamadermatol.2023.3801

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Clinical diversity and molecular mechanism of VPS35L-associated Ritscher-Schinzel syndrome2022

    • 著者名/発表者名
      Otsuji Shiomi、Nishio Yosuke、Tsujita Maki、Rio Marlene、Huber Celine、Anton-Plagaro Carlos、Mizuno Seiji、Kawano Yoshihiko、Miyatake Satoko、Simon Marleen、van Binsbergen Ellen、van Jaarsveld Richard H、Matsumoto Naomichi、Cormier-Daire Valerie、J.Cullen Peter、Saitoh Shinji、Kato Kohji
    • 雑誌名

      Journal of Medical Genetics

      巻: 60 号: 4 ページ: 359-367

    • DOI

      10.1136/jmg-2022-108602

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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