国産アサリの漁獲量は1983年をピークに著しい減少傾向を示している。国産アサリを持続可能な水産資源として復活させるには、分布域及び現存量の正確な推定が求められる。また、漁獲量減少の一因は食害であり、特に東北日本では外来巻貝のサキグロタマツメタによる食害が顕著であるため、その在不在の把握も重要である。 本研究では堆積物中の環境DNAに注目し、全国各地の干潟堆積物に含まれる環境DNAの検出率から、両種の在不在と分布域を推定する。さらに、水槽実験及び野外環境において、国産アサリの個体数の差とsedDNA濃度の関連性について検討することで、環境DNA分析が本種の現存量推定に有用かを定量的に評価する。
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