研究課題/領域番号 |
23KJ2059
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分42020:獣医学関連
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研究機関 | 麻布大学 |
研究代表者 |
中村 暢宏 麻布大学, 獣医学, 特別研究員(CPD)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | バクテリオファージ / ファージ / 免疫療法 / PD-L1 / 腸内細菌叢 / 腫瘍免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
抗PD-L1抗体などの免疫チェックポイント阻害薬(ICI)はヒトのがん治療にパラダイムシフトを起こした。しかし実際には効果を示す割合は限定的であり、また近年イヌ悪性腫瘍に対する抗PD-L1抗体療法の臨床試験が開始されているものの、ヒト同様に多くの症例で治療効果を示さない。そこで本研究では、全身免疫が腸内細菌叢と密接に関係していることに着目し、腸内細菌叢解析を利用してイヌ悪性腫瘍に対する抗PD-L1抗体療法の治療反応性を事前に予測するバイオマーカーの確立を目指す。さらに、ファージを介した腸内細菌叢制御により抗PD-L1抗体療法の治療成績を向上させる革新的な併用療法の確立を目指す。
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研究実績の概要 |
抗PD-L1抗体はがん末期患者でも長期生存を可能にした一方、有効性を示す患者の割合は20~30%程度と限定的であり、その原因は解明されていない。近年、イヌ悪性腫瘍に対する抗PD-L1抗体療法の臨床試験が実施されているものの、効果を示す割合はヒト同様に限定的である。そこで本研究では、全身免疫が腸内細菌叢と密接に関係していることに着目し、腸内細菌叢解析を利用してイヌ悪性腫瘍に対する抗PD-L1抗体療法の治療反応性を事前に予測するバイオマーカーの確立を目指す。さらに、ファージを介した腸内細菌叢制御により抗PD-L1抗体療法の治療成績を向上させる革新的な併用療法の確立を目指す。 今年度は腸内細菌叢解析を実施するための基盤構築を目指した。まず細菌叢解析を実施するために、小型長鎖シーケンサーであるMinION (Nanopore社)を導入した。また、所属する麻布大学、及び共同研究先である北海道大学獣医学部において、抗PD-L1抗体療法を実施した計22頭分の新鮮便サンプルを採取した。これらサンプルはMinIONを用いて16S rRNA全長をターゲットとしたアンプリコンシーケンス解析を実施済みである。糞便サンプリングは2024年度以降も継続する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の目標として、次世代シーケンサーの導入と細菌叢解析の基盤構築作りを目標としていた。その両目標を既に達成しており、現在所有するサンプルについては全て細菌叢解析済みであり、概ね研究は順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
糞便サンプルの採取、細菌叢解析は2024年度も継続して行っていく予定である。 また、申請者は2024年3月から特別研究員-CPDの主要渡航としてカリフォルニア大学サンディエゴ校に留学をしている。留学先では細菌叢解析に加え、腸内ファージ叢解析の手技を習得する予定であり、日本で得られたシーケンスデータを留学先で随時解析していく予定である。
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