研究課題/領域番号 |
23KJ2129
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45040:生態学および環境学関連
|
研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
善岡 祐輝 沖縄科学技術大学院大学, マリンゲノミックスユニット, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | サンゴ / 褐虫藻 / 共生 |
研究開始時の研究の概要 |
サンゴ礁は全海域の0.2%程度だが、そこには全海洋生物種の約30%が生息していると見積もられている。しかし、地球温暖化などの人為的な気候変動によってサンゴ礁は衰退の危機に瀕している。造礁サンゴは褐虫藻と呼ばれる単細胞藻類を細胞内に共生させており、両者は相利共生関係を築いている。この共生系こそがサンゴ礁の基盤である。しかし、両者がどの様に共生しているのか未だ明らかになっていない。本研究では、サンゴ礁生態系の基盤を構成するサンゴ-褐虫藻共生系の分子機構解明を目的とする。
|
研究実績の概要 |
サンゴ礁は全海域の0.2%程度を占めるに過ぎないが、そこには全海洋生物種の約30%が生息すると見積もられている。しかし、地球温暖化などの気候変動によってサンゴ礁は衰退の危機に瀕している。造礁サンゴ(以下、サンゴ)は、褐虫藻と呼ばれる単細胞藻類を細胞内に共生させており、両者は相利共生関係を築いている。この共生系こそがサンゴ礁の基盤である。本研究では、サンゴ礁の基盤を構成する「サンゴと褐虫藻の共生」が、どのように始まり、そして崩壊するのか、そのメカニズムを分子レベルで解明することを目的としている。 今年度は、共生に関連する遺伝子を特定するために、サンゴ(ウスエダミドリイシ Acropora tenuis)の初期ポリプに天然海域で実際に共生している褐虫藻種を感染させ、ウスエダミドリイシが持つ全遺伝子の発現量を網羅的に調べた。そして、褐虫藻を感染させていないポリプと遺伝子発現量を比較することで、両者で発現量が異なる遺伝子、すわわち、共生に関連する遺伝子の特定した。加えて、プラヌラ幼生において、共生時に発現量が変化する遺伝子と比較解析を行うことで、より確実に共生に関連する遺伝子の絞り込みに成功した。本成果は国際誌(査読有)にて公表した。 さらに、詳細な共生分子メカニズムを解明するために、先行研究で報告されているサンゴ培養細胞株を使った実験系の確立にも着手した。しかし、既存の培養細胞株は取り扱いが難しく、実験の進行は難航している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
既存のサンゴ培養細胞株の取り扱いが予想よりも難しく、まずは安定した維持方法を探索する必要があるため。
|
今後の研究の推進方策 |
既存の細胞株のみならず、新規に培養株樹立することも検討する。また、異なるサンゴ系統にも視野を広げることで、造礁サンゴの共生メカニズムの共通性などについても検討する。
|