研究課題/領域番号 |
23KJ2170
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分45030:多様性生物学および分類学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
清水 壮 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 植物防疫研究部門, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 系統分類学 / 寄生蜂 / 夜行性 / 時間的ニッチ / 系統進化学 / 超保存域 / ゲノム系統学 / 次世代シーケンサー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では時間的ニッチ分化(昼行性と夜行性の進化)に着目し、ヒメバチ科の多様性・緯度分布形成過程の解明に取り組みます。次世代シーケンシング技術を用いてゲノム系統樹を作成し、生物地理史や時間的ニッチの進化、多様性パターンなどのシフトを明らかにします。また、同時に系統分類学的手法を用いて、アメバチ亜科群の種多様性の現状の解明に挑みます。
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研究実績の概要 |
本年度の研究は、ゲノム系統解析に用いる膜翅目ヒメバチ科アメバチ亜科群(ophioniformes)に属する寄生蜂のタクソンサンプリングおよびその地理分布情報などの収集が中心となった。特に、アメバチ亜科やハバチヒメバチ亜科に属する夜行性グループの液浸サンプルや所属機関(農研機構・昆虫標本館)が収蔵している標本などから、解析に適した材料を抽出する作業を行った。また、本研究で用いる超保存域(UCEs)の配列データの取得に必要となる次世代シーケンス(NGS)解析に必要な実験試薬や機器が不十分であったため、次年度より本格実施する解析に備えてその整備作業を実施した。 アメバチ亜科群の種多様性の解明に関しては、形態形質と分子種定義解析を統合的に用いた最先端の統合分類学(integrative taxonomy)により、アメバチ亜科群アメバチ亜科アメバチ属(Ophion)の新種「コウベアメバチ(Ophion kobensis Shimizu, 2023)」を記載すると共に、Ophion minutus種群を日本および極東から初めて記録する論文が国際専門誌「Zoological Studies」誌に掲載された。また、アメバチ亜科ホシアメバチ属(Enicospilus)の分子系統と種群高次体系に関する研究成果を国際膜翅目会議において発表を行ったほか、その成果を公表する論文執筆に取り組んだ。加えて、ベトナム産のホシアメバチ属の分類学的再検討にも取り組み、ベトナムや英国の研究者らと共に10新種を含む合計82種をベトナムから記録した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
解析に必要となる材料収集などに関しては想定通り進んでいる。その一方で、実験実施に必要な試薬や機材の準備に想定以上の時間を要したため、若干の進捗の遅れが生じている。また、時間的ニッチデータの集積に関しても現状遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
若干の進捗の遅れはあるものの、実験環境・材料の整備は概ね完了しているため、それらを活用して分子実験に取り組む。また、材料収集(タクソンサンプリング)を継続すると共に、分子データ以外のデータ収集(アクトグラムを用いた日周活動性データや地理的分布データなど)に取り組む。さらに、統合分類学的手法を用いた種多様性の解明にも引き続き取り組む。
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