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細胞侵入型病原細菌による宿主翻訳の撹乱

研究課題

研究課題/領域番号 23KJ2178
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分基金
応募区分国内
審査区分 小区分49050:細菌学関連
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

藤 博貴  国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2023-04-25 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2025年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワードA群レンサ球菌 / 宿主翻訳 / リボソームプロファイリング / 細菌毒素
研究開始時の研究の概要

溶連菌は貪食細胞以外の上皮細胞への細胞内侵入能を有し、上皮細胞へ感染した際に宿主機能の異常を引き起こす。その結果、侵入した細胞内での溶連菌が生存するためのニッチを構築し細胞内での潜伏感染を果たす。これまでの研究過程で 、溶連菌が宿主翻訳機構を抑制すること、またその現象が溶連菌の細胞内生存性に重要な毒素分子によって引き起こされることを見出した。この結果は、これまで見過ごされてきた細胞内侵入細菌による宿主翻訳の撹乱機構が侵入細菌の細胞内生存性に関与することを示す。本研究では、このタンパク質毒素による翻訳抑制機構メカニズム、ひいては翻訳を介した宿主-細菌間の新たな相互作用を解明する。

研究実績の概要

本研究では、上皮細胞に感染した溶連菌が分泌した毒素による宿主翻訳抑制のメカニズムと生理的意義の解明を目的とする。本年度では、溶連菌のタンパク質毒素による翻訳抑制機構メカニズムを解明するために、まず毒素による翻訳抑制の変化の大きい、つまり標的遺伝子の同定を試みた。そこで溶連菌を感染させた際の宿主翻訳動態を最先端のトランスレイトミクスツールであるリボソームプロファイリングにより調べた。HeLa細胞へ溶連菌を感染させた後、感染経時的に細胞を破砕し、これらのサンプルを用いてリボソームプロファイリングを実施した結果、早期の感染時間における翻訳動態を捉えることに成功した。その結果、感染初期に翻訳が減少する転写産物が存在することを特定した。その遺伝子の機能分類群をカテゴライズするGene ontology解析から、宿主翻訳の生合成に関与するGOの翻訳が減少していることがわかり、翻訳動態への抑制効果と関連する結果が得られた。今後感染時における特定の遺伝子の翻訳産物の低下が、これまでに観察されている溶連菌感染で起きるゴルジ体の断片化やオートファジー阻害といった溶連菌が起こす病態と関連するかどうかを、来年度以降より検証する必要がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

感染細胞でのリボソームプロファイリングでの実験サンプルをシーケンスした際に、感染後期のサンプルのリードがほとんど得られない問題に直面したために、その問題点を解消するための条件検討を重ねた。その結果、感染サンプルのリボソームプロファイリングが可能な条件を設定することに成功したが、その条件検討に充てた期間の分だけ研究の進捗が遅れている。

今後の研究の推進方策

感染細胞でのリボソームプロファイリングの条件設定が終えたため、今後感染経時的な翻訳動態を追いつつ、RNAseqによりRNAレベルの変化も同時に計測することで、感染時における転写を超えた翻訳動態を解明する予定である。

報告書

(1件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Rab41-mediated ESCRT machinery repairs membrane rupture by a bacterial toxin in xenophagy2023

    • 著者名/発表者名
      Nozawa Takashi、Toh Hirotaka、Iibushi Junpei、Kogai Kohei、Minowa-Nozawa Atsuko、Satoh Junko、Ito Shinji、Murase Kazunori、Nakagawa Ichiro
    • 雑誌名

      Nature Communications

      巻: 14 号: 1 ページ: 6230-6230

    • DOI

      10.1038/s41467-023-42039-2

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Human-rabbit Hybrid Translation System to Explore the Function of Modified Ribosomes2023

    • 著者名/発表者名
      Matsuura-Suzuki Eriko、Toh Hirotaka、Iwasaki Shintaro
    • 雑誌名

      BIO-PROTOCOL

      巻: 13 号: 13

    • DOI

      10.21769/bioprotoc.4714

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Anatomy of footprint extension in ribosome profiling reveals a conformational landscape of ribosomes in bacteria2023

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Toh, Tomoya Fujita, Takeshi Yokoyama, Hideki Taguchi, Takuhiro Ito, Shintaro Iwasaki
    • 学会等名
      第96回日本生化学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Anatomy of footprint extension in ribosome profiling reveals a conformational landscape of ribosomes in bacteria2023

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Toh, Tomoya Fujita, Takeshi Yokoyama, Hideki Taguchi, Takuhiro Ito, Shintaro Iwasaki
    • 学会等名
      第24回日本RNA学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Anatomy of footprint extension in ribosome profiling reveals a conformational landscape of ribosomes in bacteria2023

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Toh, Tomoya Fujita, Takeshi Yokoyama, Hideki Taguchi, Takuhiro Ito, Shintaro Iwasaki
    • 学会等名
      EMBL Conference Protein synthesis and translational control
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2023-04-26   更新日: 2024-12-25  

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