研究課題/領域番号 |
23KJ2224
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
藤田 康介 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 認知症先進医療開発センター, 研究員
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研究期間 (年度) |
2023-04-25 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | アルツハイマー型認知症 / バランス機能 / 重心動揺検査 / レビー小体型認知症 / 血管性認知症 / 頭部MRI画像解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではアルツハイマー型認知症(AD)を有する方の歩行の特徴をもとに、ADの各病期において認知機能や生活機能を反映し、治療や病状進行に伴って変化する『認知症歩行スコア』を開発することを目指す。 1年目は、国立長寿医療研究センターのデータベースを活用し、認知症の各病型における歩行様式の違いを明らかにする。2年目も1年目から引き続いて解析を実施し、上半期には『認知症歩行スコア』の完成を目指す。その後、海外のデータベースを用いて当該指標の外的妥当性を検証する。3年目は、当該指標が認知症治療の指標として機能することを確かめるため、オープンラベルランダム化比較試験を実施する。
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研究実績の概要 |
認知症は「脳の病的変化によって認知機能が障害され、それによって日々の生活に支障があらわれた状態」と定義される。現在、認知症の予防法や治療法の確立に向け、様々な介入の効果検証が世界中で実施されている。これらの試験における効果判定は認知機能の評価によってなされるのが一般的であるが、認知症の特徴である「認知機能の低下」と「生活機能の低下」の両方を包括的に反映しうる簡便な指標は存在しない。本研究では歩行が認知症の治療効果を定量化する指標であるという仮説を検証する。また、臨床応用可能性を高めるため、歩行の質を定量化する『認知症歩行スコア』も開発する。 令和5年度においては歩行よりも基礎的な運動様式である「静止立位」に着目し、認知症の各病型(アルツハイマー型: AD, レビー小体型: DLB, 血管性: VaD)における違いを検討した。国立長寿医療研究センターもの忘れセンターの外来受診患者1789名(AD 1206名、DLB 111名、VaD 49名、認知機能正常 423名)を対象に、静止立位時の重心動揺のパラメータを比較し、各病型における特徴を見出した。これらの違いは認知症に伴う中枢神経系機能と関連していると考えられ、認知症の評価指標の確立に資する結果である。なお、この成果は老年医学分野のトップジャーナルであるThe Journals of Gerontology Series Aにアクセプトされた。また、2023年7月に開催されたAlzheimer's Association International Conference (AAIC) 2023に参加し、認知症評価分野の最新知見を収集するとともに海外研究者とのコネクション構築の機会となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在までにおいて、本研究の目的であるADの各病期において認知機能や生活機能を反映し、治療や病状進行に伴って変化する『認知症歩行スコア』を開発するための土台となる知見の蓄積がなされた。また、海外研究者とのコネクション構築も進んでいることを踏まえ、上記の区分選択とした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度で得られた成果を発展させ、より高次の運動様式である歩行の解析へ着手する。また、海外の研究者との共同研究の実施を目指し、交渉を実施するとともに現在保有しているデータのクリーニングを継続する。研究の円滑化のため、関係スタッフに対して本研究の意義と協力を依頼していく。
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