研究課題/領域番号 |
23KJ2233
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 国内 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 寛子 東京大学, 人文社会系研究科, 特別研究員(RPD)
|
研究期間 (年度) |
2023-10-02 – 2027-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 危機言語 / アセスメント / 言語データ分析 / テキストの文字起こし / 辞書作成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、パプアニューギニアの西ニューブリテン州で話されているオーストロネシア語族に属するベベリ語の文法書を作成する。理論言語学的及び言語類型論的に大変特異な特徴が観察されるが、その実態は知られておらず、また言語は消滅の危機に瀕している。本研究では、どのように言語が使用されているのか機能的なアプローチを取理、言語使用状況、言語の歴史、音声と音韻、句や節の構造、文の構造を記述する。また、同じ語族の他の言語や世界の言語とは、どのようにベベリ語が類似または相違しているか類型論の側面からも考察する一方、コミュニティーも使用できる文法書を出版する。また、文法書には、収集したテキストや語彙も記載する。
|
研究実績の概要 |
本研究は、パプアニューギニアの西ニューブリテン州で話されているオーストロネシア語族に属するベベリ語の構造を解明し、文法書を作成することを目的とする。特に同じ語族の他の言語にはないジェンダーと所有代名詞に注目する。昨年度10月から研究が始まったが、パソコンの突然の破損、病気とその回復に時間がかかり、引っ越しなどがあり、研究以外に時間が取られたため、予定通りにはあまり進まなかったが以下のことに重点を置いて研究を進めた。 (1)今まで取得したデータを見て、データを考察し、音声および音韻の構造をまとめた。 (2)また、今までの聞き取り調査で得たデータをもう一度見直して、基本的な文法構造、主に名詞句に集中してまとめた。 (3)未処理のテキストがあり、そのテキストをELANを使用して、文字起こし及びトクピシン語と英語に翻訳し、言語がどのように実際に使用されているか分析し、また、辞書作成のアプリケーションであるFLExにELANで文字起こししたテキストを入れる処理を行なっていたが、パソコンが壊れバックアップも使えなかったため、最初から設定をやり直して、この作業に時間がかかった。 (4)言語使用および危機のアセスメントの結果を見直しした。 (1)と(2)の文法解析に関しては、まだ未解決な部分が多くあり、今後未処理のテキストや今まで収集したデータを見直して、分析していきたい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
11月に突然パソコンが壊れ、パソコンの購入やデータの再読み込みなどで時間がかかった。 12月にコロナに感染してから体調不良が1ヶ月以上続いた。 2月に主人がコロナに感染したため、子供達が1週間学校に行けず仕事ができず、その後主人の転勤に伴う引っ越しがあり、引っ越し準備や引っ越しに伴う事務処理、家、保育園探しに追われ、また、引っ越し後も1ヶ月半仮住まいをしていたため、集中して研究ができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度前半は、以前に収集したテキストと語彙を整理に焦点を当てる。テキストはELANを使用して、文字起こし及びトクピシン語と英語に翻訳し、言語がどのように実際に使用されているか分析する。語彙は辞書作成のソフトウェアであるFLExを使用し、テキストで使用された生活や文化に関わる語彙を中心にデータに入力する。これらの音声及び文字起こししたデータをハワイ大学のKaipuleohoneに保存する。また、テキスト及び聞き取り調査のデータから音韻、名詞句及び動詞句文法の分析を行う。さらに、危機言語のアセスメントデータも整理する。これは、ハワイ大学との研究の一環であり、ハワイ大学の研究者と共同で行なっているものである。
今年度後半は、音韻、名詞句及び動詞句文法の記述に焦点を当てる。
|